<これまでの活動記録>
公明党の山本博司参院議員は先ごろ、愛媛県西条市立周桑病院を訪れ、医師不足により診療科目の休止が続く深刻な実態などを調査し、病院関係者や伊藤宏太郎市長と懇談した。これには、笹岡博之県議、黒河紘一郎・西条市議も同行した。
同病院は内科や外科、脳神経外科、整形外科、小児科、産婦人科など16診療科、350床を備え、周桑地方における総合的な医療拠点施設としての役割を果たしてきた。特に、公立病院では珍しい精神科・神経内科(165床)を備えており、同市以外からも多くの患者を受け入れていた。
しかし、昨年4月まで28人いた常勤医師が、今年9月には11人に激減。常勤の医師確保が困難になったことから、昨年12月に小児科、今年4月から精神科・神経内科を相次いで休止。脳神経外科、整形外科、眼科、産婦人科の四つの科も、同じ理由で今年4月から順次、非常勤医師による週1、2回の診療に縮小した。「岡山や香川からの非常勤医師(27人)が外来患者を担当し、医師不足を一時的にしのいでいる状態」(月岡明人事務局次長)だという。
山本氏ら一行は、休止している精神病棟や救急医療措置ができなくなった脳神経外科など病院内を視察した後、伊藤市長や越智淳三副院長らと懇談した。
伊藤市長は「産科は休止状態で市内で出産できる施設は一つだけになるなど、地域医療に住民は大きな不安を抱いている」と国の積極的な支援を要望した。
越智副院長は「本来はベストの体制で手術に臨みたいが、当直明けに手術をすることもある」と過酷な勤務実態を訴えた。また、地方の医師不足の一つの要因とも言われている2004年から導入された新臨床研修制度についても意見が交わされた。
同病院では、関係大学病院との連携を図るとともに、地元出身医師の掌握、インターネットによる医師の募集を行うなど、精力的に医師確保に向けた努力を行っているが、事態は改善されていないのが現状だ。
視察を終えた山本氏は「医師不足は深刻な問題で行政や病院の自助努力だけでは限界がある。国が動かなければ地域医療は崩壊してしまう」との認識を示し、具体的でスピード感のある対策に努力することを約束した。
(2007年10月3日付 公明新聞より転載)