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参院厚生労働委員会は30日、年金保険料は給付以外に使わないとする民主党提出のいわゆる“年金保険料流用禁止法案”について審議し、公明党から山本博司、渡辺孝男の両氏が質問に立った。
山本氏は、同法案と今年6月に成立した社会保険庁改革関連法で考え方の違う「年金事務費」の取り扱いに触れ、現行法で事務費への保険料充当を定めている理由や、わが国の保険制度、諸外国の事例での事務費負担のあり方をただした。
社会保険庁の吉岡荘太郎総務部長は、「受益と負担の明確化の観点から(年金手帳や保険料納付書の作成、郵送費など)保険運営上に必要な経費に保険料財源を充てることは妥当」とし、雇用保険や労災保険も同様に「(わが国の)保険制度では事務費に保険料を充てている」と答弁。また、英、米、独、仏、スウェーデンの各国の年金制度でも事務費に保険料を充てている、と答えた。
また山本氏が、施設を建設できる規定を廃止した現行法のもとでも「ムダな“箱物”を建設するのではないかとの懸念を示す人がいる」として厚労省の見解を求めたのに対し、西川京子厚労副大臣は「年金教育、広報センターなどの“箱物”は一切造らないことを明言する」と述べた。
一方、渡辺氏は、民主党の法案には「流用」の文字がないにもかかわらず、法案趣旨説明文や俗称などに「流用」の文字を使っていることについて、「悪いことに使ったような誤解を招く恐れがある」と指摘。
また、毎年約2000億円と見込まれる事務費を、国民に税負担で求めることについて「受益と負担の明確化につながるのか」と疑問を呈した。
(2007年10月31日付 公明新聞より転載)