<これまでの活動記録>
『身障者補助犬法と中国残留邦人支援法改正案も』
参院厚生労働委員会は27日、最低賃金法改正案と労働契約法案の採決を行い、自民、公明の与党両党と民主党などの賛成多数で可決した。最低賃金法改正案は共産党が、労働契約法案は共産党と社民党がそれぞれ反対した。28日の参院本会議で成立する見通し。
2法案は、自民、公明の与党と民主党が今月6日の修正協議で合意したもの。最低賃金法改正案は、地域や条件によって生活保護費の方が最低賃金より高くなる場合があるため、最低賃金を底上げするのが狙い。修正協議では、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活が営むことができるよう」配慮することを追加。労働者の生活を守る安全網としての役割を明確にした。
一方、労働契約法案は、労働者と企業の間の雇用ルールを明確にする新法で、例えば有期労働者については不必要に細切れの契約期間にならないよう使用者に配慮を求めている。修正では、公明党の強い主張により、「仕事と生活の調和にも配慮」することを盛り込んだほか、労働者の就業実態に応じて待遇面での「均衡」に考慮することなどを定めた。
採決に先立ち、公明党の山本博司氏は、最低賃金法改正案の趣旨について、「生活保護と最低賃金の逆転現象を解消して、勤労意欲を高めること」と指摘。その上で、「もし、生活保護の水準を引き下げるようなことがあれば、本末転倒だ」と強調し、労働者の勤労意欲を削ぐことなく本来の趣旨を実現するよう要請した。
また山本氏は、若年者雇用に関し、「就労・自立の相談や職探しの手伝いではなく、抜本的な基礎学力の学び直しや安定した職につながる技術の修得支援が大事」と強調し、政府の見解を求めた。
舛添要一厚労相は、「フリーター25万人常用雇用化プラン」に全力を挙げて取り組む考えを示し、「みんなが安心して仕事をし、生活できる社会をめざす」と述べた。
一方、公明党の渡辺孝男氏は、最低賃金額未満の賃金を受け取っている労働者のうち、13・8%が障害者であることについて、「大変由々しき問題だ」と指摘。障害者の働く意欲を公正に評価し、最低賃金額未満の労働者をなくすため、厳正に監督をするよう政府に求めた。
厚労省の青木豊労働基準局長は、「適切な監督指導の実施によって、最低賃金法の順守徹底を図っていく」と答え、労働基準監督官に従わない悪質な事業所などに対し、司法処分を徹底する考えを示した。
このほか、同委員会は、中国残留邦人等の円滑な帰国促進及び自立支援法改正案と身体障害者補助犬法改正案の採決を行い、全会一致で可決した。
(2007年11月28日付 公明新聞より転載)