「少子高齢化・共生社会に関する調査会」の2日目は豊橋市を視察。最初に定年制のない会社西島(株)の本社を訪問。
大正13年創業の西島(株)は社員145名の内、60歳以上20人、70歳以上6人。定年制はなく、独自の「人材重視経営」で、専用工作業界で異彩を放つ企業である。3代目の西島篤師社長の「一生元気、一生現役」の会社の理念・活動をお聞きし、工場内を視察する。「ものづくりには特に経験と技能が大事」と技能資格者がづらり。
特に愛知県の匠として認定された2人は82歳と73歳。昨年勤続50年を越える社員3名を表彰し、夫人を交えての感謝会を開いたそうだ。工場内を西島社長の案内で見学。「いつまでも健康で現役を続けて」との温かさが随所に。「団塊世代は宝庫」と言い切る社長の言葉に重みを感じた。
その後豊橋市役所にて愛知県(的井県地域振興部長)・豊橋市(早川市長)の「多文化共生社会づくりの推進に向けた取り組み」について説明を受け、意見交換を進める。
豊橋市は公明党太田代表の故郷。早川市長からも豊橋市の状況等説明があり、外国人学校の認可状況と教育について質問をさせていただく。
午後、ブラジル人学校の学校法人「カンティーニョ学園」を視察。山本理事長・西郡校長・亀井理事等から説明を受けたあと、校内を見学。6歳から14歳まで180名が勉強している。
日本にいながらブラジルの教育が受けられるプログラムが特徴で2007年愛知県にあるブラジル学校では第1号の学校法人として認可された。
明るい教室に元気一杯の子ども達。算数や理科。そしてパソコン教育と全てポルトガル語で充実した教育が進められており、感銘を受ける。認可をとった事で県・市からの補助が受けられるようになったが、まだ経済的な負担で大変な家庭も多いとの課題もある。しかしさらに受入れを増やす努力を続けるとの意欲が熱い。
さらに外国人の生徒が多く通う公立の豊橋市立岩田小学校も視察。明治6年設立の伝統校。児童数967名の内、外国人児童数は152人。15.7%も占める。ブラジル人が9割という。
最初に5時限の授業参観に。転入生の個別指導のアミーゴ(プレクラス)や2年生と5年生の取り出し学級(日本語指導が必要な児童達)を先生の案内で見学。1人1人丁寧に教える先生の取組みと忍耐に頭が下がる。休憩後6時限の普通授業も参観。
この後、彦坂校長等から説明を受け、学校の教員の皆様と意見交換をする。19年度の1月末で転入56人、転出43人合計99人と頻繁な転出入が毎月続く。その大半が外国人児童。そうした大変さもあるが、多文化共生を求めて、保護者の連携や子供どうしが「国際交流新聞」等を発行し、多文化共生に取組まれており、市・県・国の施策が大事となる。
2日間の調査会の視察を今後に生かしてまいたい。