国対役員会の後、医療制度委員会が開催された。「医師臨床研修制度の見直しの検討状況と医師不足対策・医療提供体制の充実について」厚労省・文科省から説明をうけ、意見交換を進める。下記内容のポイント。
《医師臨床研修制度の見直しの検討状況》
「医師臨床研修制度の見直しの検討状況について」は有識者の検討会が昨年9月から定期的に実施され、第5回が2月2日に開催され、たたき台の骨子が示された。
【現行制度の課題として】
①研修制度の導入が大学病院における臨床研修を受ける医師が大幅減少し、大学病院が担っていた医師派遣機能が低下し、地域の医師不足を招いた。
②研修医の募集定員の全国的な管理が行われていないため、都市部に研修病院が集中しているため、研修医の都市集中が助長されている。等など様々な課題がある。
たしかに、平成15年(旧制度)では大学病院の臨床研修は72.5%、平成20年度は46.4%と大幅に低下、地方ほどさらに低い状況である。
【今後の見直しの方向】
①プログラムの弾力化を図る。必修診療科は1年目内科、救急にとどめ、早い段階からキャリアに応じた研修を行うと共に研修2年目は地域医療研修を必修とする。
②地域や診療科に必要な医師確保する観点から、受入れ病院の募集定員や基準の見直し、医師の地域偏在など医師不足の対応を図る。等など。
今後、第6回目検討会が2月18日に。来年の4月から新体系の臨床研修制度のプログラムでスタートできるよう検討を進める予定である。
《医師不足・医療提供体制の充実》
【厚労省の医師確保・救急医療対策予算】
医師確保の予算は平成19年度92億円から平成20年度161億円。平成21年度予算案は272億円と飛躍的に伸びている。
内訳は新規で救急医療を担う医師支援に20.5億円、産科医医療を担う医師支援(新規)に28.4億円。へき地医療を担う医師の移動などの手当ての財政支援(新規)1.36億円。医師派遣が円滑に行われるような支援として(一部新規)41.64億円。
救急医療対策予算は平成19年度89億円平成20年度100億円そして平成21年度205億円と大幅な増を示している。
内訳として新規では管制塔機能を担う救急医療期間に対する支援に51.1億円。ドクターヘリ導入促進事業の充実(一部新規)8機増え24箇所で20.1億円など。
【文科省の医師不足対策及び地域医療の大学病院機能強化予予算】
文科省の医師不足対策及び地域医療の大学病院機能強化予算は昨年度の69億円から平成21年度予算では210億円と大幅増。さらに平成20年度第1次補正では60億円。第2次補正でも20億円の予算が計上されている。
これは、医学部入学定員を平成21年度に693人増の8486人とし、それに伴う教育環境整備の予算を確保した部分が大きい。
内訳として、定員増を行う医学部の教育環境整備支援に40億円(第1次補正で)また周産期医療の環境整備に17億円(平成21年度予算新規)・大学病院の医師養成機能強化予算として大学病院連携型高度医療人養成推進事業16億円。看護職キャリアシステク構築プラン2億円。がんプロフェショナル養成プラン20億円等など。
午後は労働政策委員会で「派遣きりホットラインの報告と派遣法見直しの要望について」派遣ユニオンの代表から話しを聞く。
夕方からは新幹線で四国の高松に向う。明日から香川・高知をまわる予定となる。