羽田空港から広島空港。そして車で1時間30分。島根県浜田市旭町へ。
本日は浜四津代表代行と地元島根県の市議・町議の皆様と浜田市にある島根あさひ社会復帰促進センター・島根あさひ盲導犬訓練センターなどを視察する。
最初に冨田センター長や林広島矯正管区長澤田法務省大臣官房審議官などからセンターの説明を受ける。
「島根あさひ社会復帰促進センター」は民間の資金と運営手法を取り入れているPFI方式の刑務所で、受刑者の真の改善更正と円滑な社会復帰の実現を目指し、昨年10月に開所された施設である。
広々とした敷地。緑に囲まれた素晴らしい景色の場所である。センターの運営の3つの柱は①国の経験②民間のノウハウ③地域の力であり、地域と共に創る「社会復帰支援コミュニティ島根あさひモデル」に取組んでいる。
施設は敷地総面積約32万5千m2・収容対象2000名(現在540名)。運動場を囲む収容棟は明るい光が差し込む。職員数は国:約200名民間:約300名。
再び罪を犯すことなく、自他を傷つけない生き方をめざし、欧米で実績のある教育プログラムを活用している。また国内では初となる受刑者と地域のボランティアによる盲導犬パピー育成プログラムや力に頼らない関係構築方法を学ぶホースプログラムなどの動物介在活動を関係団体の協力のもと実施している。
盲導犬パピー育成プログラムは生後2ヶ月の子犬(パピー)を12ヶ月まで受刑者が養育し、基本的な社会化訓練の内容である。4月13日より3頭の飼育がスタートした。受刑者の居室にケージを置き、犬と寝食を共にし、1歳ちかくなる来年1月まで餌やりやしつけ、散歩を続ける。4人1組で月曜日から金曜日まで受刑者が飼育し、週末は地域のボランティアが飼育する。
現場を見学させていただいたが、受刑者の優しい眼差しからも子犬の飼育を通じて、責任感や達成感を身につけられ、更正に役立つプラグラムだと実感する。
また全国の視覚障害者は約30万人のうち、全盲の方は約10万人。盲導犬希望者は7800人の方がいるが、現在盲導犬は現在965頭。大幅に不足する盲導犬育成にもつながる。
ホースプログラムは、施設内に設けた厩舎・場場内に馬2頭を受刑者が飼育する内容である。金城ウエスタンライディングパークの協力の下、実施。本日は瀬川社長から説明を受ける。
馬とのふれ合い、飼育を通じて、「人間より大きな動物とコミュニケーションを図ることで、「力」に頼らない関係構築法を学習する」との動物介在。現場を見て、その大切さを痛感する。
また円滑な社会復帰のための必要な技能取得・職業訓練として点字・点訳科・理容師養成・PC上級科などの場所も見学。
またIT技術を活用したシステムも見学。衣服に装着したICタグをもちいて位置情報をリアルタイムに把握する。そのため受刑者は自由に施設内を行動できている。1日3食6000食の受刑者の食事を自動的に搬送する給食自動搬送システム(AGV)にもびっくりする。
地域の共生を図る地域交流エリアには職員宿舎・ビジターセンター、盲導犬訓練センター、子育て支援施設、武道場などがある。
その1つ中国地方初の島根あさひ盲導犬訓練センターを見学する。財団法人日本盲人協会が運営。盲導犬の訓練の様子を見学する。また目の不自由な人達が盲導犬と歩く為の共同訓練や宿泊場所も視察。きめ細かく対応されており、視覚障がい者にとっての大事な拠点となっている。さらに支援の広がりが進むよう応援してまいりたい。