民主党の鳩山代表の偽装献金が連日報道されているが、説明責任が果たされていないとの圧倒的な国民の声である。地元北海道議会でも「政治とカネの問題に関し国民の信頼を失い、政治不信を大きく招いたとはまことに遺憾との全容解明を求める」意見書が採択された。偽装献金について公明新聞に判り易い解説が掲載されたので紹介したい。
1.個人献金の8割がウソ
鳩山代表の自らの資金管理団体の収支報告書には、2005年~2008年の4年間で延べ193人に上る個人献金者を「虚偽記載」していた事を認めている。
これは政治資金規正法違反で「5年以下の禁固、100万円以下の罰金」などの厳しい罰を受ける犯罪行為。鳩山側は3年間(05年~07年)の収支報告書に個人献金として記載された88人のうち、約8割にあたる70人の寄付を削除。残りは本人と母、姉、秘書とその家族などわずかである。
2.個人献金2177万円が偽装
亡くなった人の名前を悪用した「故人献金」など延べ193人の虚偽行為を行い、偽装した額は4年間(05年~08年)総額2177万円に上る。勝手に名前を利用された人達は「本当に気持ち悪い」「1万円だって出しはしない。あんな金持ちなのに」とかんかんに怒っている。
あまりのデタラメさに岩井日大教授は「政治資金の報告制度の信頼性を根本から揺るがす問題」と厳しく批判している。
3.「秘書の独断」通用しない言い訳
鳩山氏は「個人献金が少なかったので秘書が独断でやり、自分自身は知らなかった」と釈明した。しかし、鳩山氏の政治資金管理団体が10年間で受け取った個人献金は、報道によると総額5億9000万円。国会議員の中でも群を抜く巨額の個人献金でこれが「少ない」わけがない。
この秘書は20数年努めた公設第一秘書であり、鳩山氏とは一体の関係にある。「秘書が独断でやった」言い訳は通用しない。
4.未解明の匿名献金も3.4億円
鳩山氏が10年間に受け取った個人献金5億9千億円のうち、法律上、名前を出す必要のない5万円以下の「匿名献金」は約6割の3億4千万円に上る。これは「他の国会議員に比べて突出して多い」(毎日新聞)額である。
鳩山氏の調査では、この匿名献金の解明がされていない。この中に同じように偽装献金はないのか?ますます疑惑が深まっており、全容を明らかにすべきである。
5.偽装献金の原資は?疑惑深まる
鳩山氏の調査では普段から1000万円を超えるカネを秘書に預け、それを偽装献金に流用されたとしている。しかし鳩山氏は資産家とはいえ、6月30日の鳩山氏の年間所得は2900万弱。このことから「本当に鳩山氏個人の金だったのか。出所を明かせない裏献金は入っていなかったか」(朝日新聞)と疑問の声も上がっている。
さらに架空の献金者に対し、「寄付控除」という税制上の優遇措置を受けるための書類が交付された疑いも浮上していて、疑惑は深まる一方である。
6.党首2代にわたる偽装献金
民主党は党首2代続けて「政治とカネ」をめぐる疑惑の渦中である。前代表の小沢氏は西松建設からの違法献金で代表を辞任、裁判では公共工事で小沢側から「天の声」が出ていたと指摘された。その批判をかわそうと「企業・団体献金の全面禁止。個人献金拡充」を打ち出した矢先に、鳩山代表の個人献金偽装。これでは全く説得力もない。
鳩山氏は経理担当の秘書のクビを切っただけで、幕引きを図ろうとしているが、長期間、偽装を放置していた鳩山氏の責任は重く、明確な説明責任を果たすべきである。
以上である。本日も1日都議選の応援で都内(世田谷・目黒など)をまわる。香川鈴木秘書夫妻も応援にかけつけ、合流して支援拡大に動く。