農水部会


中山間地域の農業支援について


9時30分からの国対役員会からスタート。今後の臨時国会の取組み方など意見交換を進める。

午前中、農林水産部会(石田部会長)が開催され、地方から継続・拡充を求められている「中山間地域等直接支払制度について」について、農水省からヒアリングを進める。

(中山間地域を取りまく背景と課題)

中山間地域は、平野の外縁部から山間地を指し、山地の多い日本では、このような中山間地域が国土面積の69%を占めている。
耕地面積の42%、総農家数の43%、農業産出額の39%、農業集落数の52%を占めるなど、我が国農業の中で重要な位置を占めている。

このように我が国の農業・農村の中で重要な地域であると共に、美味しい水や食料の供給の源であり、洪水防止など国土の保全、水源のかん養等の多面的な機能を果たしている。

しかし、中山間地域は高齢化の進行が著しく、このままでは多くの高齢農家において農業生産活動が困難となり、耕作放棄地の増加が懸念される。

(中山間地域等直接支払交付金の制度導入)

こうした課題克服のため、高齢化に配慮した制度として直接支払交付金が平成12年度から実施。1部見直しも含め、平成17年度から再スタート、平成21年度までの5年計画で継続されている。

(これまでの実施状況)

平成20年度の交付市町村数は1,028町村。協定数は集落協定(28,299件)個別協定(458件)合計28,757件。交付面積は66万4463ha。

平成20年度予算額221億円。平成21年度予算額234億円(基金の残30億)

(今後の対策)
・新たな第3期対策として検討。平成21年度予算として20年度の予算(基金の残額も含め)265億規模。

・政策目標としても平成20年度実績66.4万haの協定農用地面積の維持・拡大を目指す。

・新規の取組みとして農業生産条件の不利を補正(急傾斜地・緩傾斜地・小区画・不整形な田・高齢化率耕作放棄地率の高い集落にある農地・積算気温が低く、草地比率の高い草地)

(見直しのポイント)
・1ha以上の一団の農用地要件について集落協定に基づき農用地の保全に向けた共同取組み活動が行われる場合は、1ha未満の団地でもok。これにより山あいに点在する飛び地や小団地などの協定取組みが推進される。

・対象行為についても作業に共同で支えあう農業生産活動の取り決め(集団サポート方)を新設の予定。高齢農家も安心して参加できる地域ぐるみの取組みを推進。

・加算措置として従来の加算措置に加え、「小規模・高齢化集落支援加算」を新設。

農水部会では大事なテーマについてヒアリングをうけ、研鑽を進める予定。

(参考)
 集落協定の概要(平成16年度実施状況)
 一集落協定の平均値
参加者数:19.8名(都府県平均19.5人)
交付金額:164万円(県平均 143万円)
一人あたり交付金額:8.3万円(県平均7.3万円)
協定締結面積の平均:20ha(県平均10ha)