国対役員会の後、議院運営委員会・議員総会の後、本会議が開催され、人事官同意の採決が行われた。
公明党は今回の人事院人事官に江利川前厚生労働事務次官を起用する政府人事案については自民・共産・みんなの党など野党とともに反対した。
理由は1つに公務員制度改革は国民目線に立った大胆な改革が求めらており、人事官には民間の視点が大事であるが、今回の人事は「官僚の中の官僚」というべき人物を起用する事は適材適所といえない。
2つは、厚生労働事務次官を努めた江利川氏が社会保険庁を含む厚労省全般の人事や行政の責任ある立場であったが、不祥事の相次いだ社会保険庁に限ってみても、人事行政が適切に行なわれたとは言いがたい。
3つは、民主党が主張してきた「脱官僚」や「天下り全面禁止」とは大きくかけ離れており、矛盾しており、国民に対する説明責任を果たされていない。
以上の理由である。 残念ながら賛成多数で可決された。
夕方には「厚生労働部会・難病対策PT」が開催された。
「膵嚢胞線維症(すいのうほうせんいしょう)の治療環境を実現するために」とのテーマで宮城学院女子大学発達臨床学科足立智昭教授から切実な訴え、請願を受ける。
(膵嚢胞線維症とは)
・膵嚢胞線維症(すいのうほうせんいしょう)は生まれながらの遺伝性難病。
・身体の外分泌腺(汗、粘液、涙、睡液、消化液など)の正常な働きを阻害する疾患。通常はさらさらとした分泌物がこの病気だとねばねばした分泌物が出て、固まっていく。腸では腸閉塞に、肺など痰がたまり、呼吸困難になる等重要な身体機能を阻害する。
(患者の数・余命は)
・患者数は日本で15名程度。日本では35万人に1人。余命は現在10代半ば。生まれながらの死病と余命宣告される。
・欧米では2500人に1人。治療環境の整った欧米では30歳を超えるが、専門医のいない日本では10代半ばで亡くなるケースが多い。
(治療法)
・治療法は固まりを溶かす消化酵素の服用(欧米で標準薬のCreonは認可されていない)
・呼吸器感染治療のために、多種・多量の抗生剤を使用(コリリスチン・TOBIなど未認可)
・肺機能の悪化を抑制する目的で欧米で使用されているDNAse(Pulmozyme)も未認可
(費用)
・治療などの費用は海外の薬を使うので膨大のお金がかかる。
20歳までは「小児慢性特定疾患」の対象疾患として、公費として医療費助成が受けられるが、20歳以上打ち切られる。
・21歳の患者は毎月15万の治療と海外の薬で年間500万近くかかる。高額なため、治療が出来ない人もでている。
(請願項目)
1.治療環境を整えるため、「難治性疾患克服事業」から医療費助成の「特定疾患治療研究事業」の対象疾患にしてほしい。
2.海外で基本的な薬剤として使用されている消化酵素、抗生剤などの吸入剤・酵素製剤等を認可し、保険適応とする。
明日厚労委員会で所信質問に難病対策をとりあげる事を話す。
膵嚢胞線維症(すいのうほうせんいしょう)の実態と難病全体の政府の取り組み推進へ訴えていきたい。
「雇用・難病・障がい者・原爆症認定問題について」質問の予定。夜遅くまで、明日の準備を進める。