<これまでの活動記録>
公明党の科学技術委員会(浜田昌良委員長=参院議員)は3日、衆院第1議員会館で、科学技術関連予算の事業仕分けについて、ノーベル化学賞受賞者の野依良治・理化学研究所理事長、東北大学大学院の渡辺正夫教授、小谷元子教授と意見交換した。
野依氏は、事業仕分けで予算凍結の評価を受けた次世代スーパーコンピューター(スパコン)の開発事業に関して「凍結したら、瞬く間に各国に追い抜かれ、その影響は計り知れない」と強調。また、「科学技術振興や人材育成は投資だ。コスト(費用)と投資は区別されるべきもの」と訴え、科学技術政策について「政権によって大きく政策を変えるべきではない。超党派で議論し、戦略的、持続的な一貫した取り組みが必要」と主張した。
続いて講演した渡辺教授は、科学技術予算の縮減方針について、「費用対効果という言葉が教育、科学技術分野に当てはまるのか」と疑問を呈し、小谷教授は、「専門家への敬意がなくなっている」と述べた。
出席議員からは「財務省が仕分け人に渡したマニュアル(手引き)を見ると、次世代スパコンの開発は、廃止に向けて議論しろというランク付けがしてある。(結論ありきの)こういう手法は問題」などの意見が出た。
山口那津男代表は、事業仕分けについて「科学技術分野については、目先の効果というよりも長期的な戦略に立った上での判断が必要。今回の事業仕分けの結論はあまりにも近視眼的に過ぎる」と述べた。
(2009年12月4日付 公明新聞より転載)