本会議終了後、横浜へ移動。夕方から厚生労働部会(渡辺部会長)視察で、横浜市脳血管医療センターを訪問。
脳卒中は日本人の死因の第3位であり、介護を必要とする原因疾患の筆頭で、高齢化と共に患者数の増加が予測される。
本日は専門病院である最先端をいく、横浜市脳血管医療センターの視察と取組みそして患者・家族の皆様からの要望も含め伺う。
横浜市脳血管医療センターは脳卒中専門病院として急性期医療から回復期のリハビリテーションまで一貫した治療を提供している。回復帰リハビリ病棟の在宅復帰率83%(20年度)。全国平均は66.1%(18年度)とリハビリテーションも充実している。
また24時間365日体制で、専門医がCT、MRI等の機器を活用し、診断・治療を行なっている。また横浜市の脳血管疾患の救急医療体制に参画する中で、t-PAにも対応している。山本センター長など様々な観点から脳卒中の医療連携について説明を受ける。
さらに横浜市健康福祉局(山田課長)からは、脳血管疾患の救急医療体制の運用についての取り組みを伺う。
平成20年度からの試行実施から平成21年度から脳血管疾患に対応した救急医療体制を正式運用している。(30箇所の医療機関における受け入れ体制・t-PA療法に対応可能な搬送体制の整備など)
脳卒中の死者の約6割を占める脳梗塞は発症から3時間以内(病院到着まで2時間以内)なら「血栓溶解療法」t-PA療法で劇的に改善する可能性がある。ただ副作用の危険性も高く、条件を満たした医療機関だけが実施可能といわれる。
視察後、脳卒中患者・家族会の方々と意見交換。
NPO法人「全国脳卒中者友の会連合会」石川敏一常務理事・「脳卒中から助かる会」代表上野正東大名誉教授などから体験を通じての要望・意見を伺う。
要望としては「脳卒中対策基本法」の早期成立を促進して欲しい事である。
基本法の法制化の背景は、
「脳卒中の中でも根本的治療法がないといわれた脳梗塞が最も多いが、効果的な治療薬である血栓溶解薬(t-PA)は平成17年に医療保険適用になっているが、治療を受けているのは患者の2%。普及が進まない大きな要因は一般市民の知識不足と救急搬送体制が脳梗塞治療に適した体制になっていないと指摘されている。
また脳卒中を発症し、重篤な後遺症を残した場合、患者のみならず、家族の生活も一変してしまうことが多い中、リハビリテーション開始の遅れや医療福祉体制の連続性の欠如も指摘されている。
こうした課題を克服するには、脳卒中に関する啓発活動を行政の責務と位置づけ、救急搬送を管轄する総務省と医療を整備する厚生労働省との脳卒中救急医療に関する連携の仕組みをつくり、地方の地域実情を踏まつつ、脳卒中に対しての医療・社会福祉資源を計画的に整備する事が必要と考えられている。
このような総合的対策を実施するために脳卒中対策の基本方針を定めた「脳卒中基本法」が是非必要と家族・患者会の方々が要望されている。」
坂口副代表・渡辺厚労部会長を中心に厚労部会のメンバーで推進し、他の党も含め検討を約束する。