10時に山口代表は鳩山総理・平野官房長官に官邸で会い、介護政策の提言をした。全国47道府県で「介護総点検」調査を実施し、国民10万人の生の声を基に、「新・介護公明ビジョン」の発表である。
総理からは「いつ頃調査をしたのですか?大変な調査でしたね。皆さんの取組みとご苦労に敬意を表します。この内容について政府として大いに参考にさせていただきます。その上で具体的内容について早速厚労省など具体的な検討を促したい。」との発言があった。
だれもが避けて通ることのできない介護。介護保険制度施行の10年を迎え、特養ホームの待機者問題はじめ、老労介護やシングル介護、介護うつ、独居高齢者の増加など介護現場は深刻な問題が山積している。
公明党は、介護を最重要課題と位置付け、全国3000人の議員が一丸となって昨年11月から12月にかけて、全国47都道府県で「介護総点検」を一斉に実施した。
総点検では①街角アンケート②要介護認定者・介護家族③介護事業者④介護従事者⑤自治体担当者の5分野で実態調査を行い、10万人を超える介護現場の貴重な声を基に「新・介護公明ビジョン」の政策提言となった。
介護総点検」調査の結果①介護施設の不足②在宅支援体制の不足③介護労働力の不足に対する不安が数多く寄せらた。
公明党は高齢者が住み慣れた地域で、安心して老後を暮らせる社会をめざし、12項目の政策提言を行い、実現をめざす。
安心して老後を暮らせる社会へ「12の提案」は7つの視点からまとめられた。
■2025年までに介護施設待機者を解消
①介護施設を倍増!特定施設、グループホームを3倍増
■在宅介護の支援を強化
②24時間365日介護サービスの大幅拡充で在宅支援強化・介護保険料の上限を設け、自己負担額を抑制
③3年間介護保険を利用しなかった高齢者に保険料やサービス利用料負担軽減できる「お元気ポイント」。さらに介護ボランティアに参加した高齢者にさらに軽減するシステム「介護支援ボランティアポイント」の導入
④家族介護者の休暇・休息を保障するレスパイト事業の拡充
■介護保険制度の利用者負担の見直し
⑤低年金・低所得者の負担軽減をさらに進め、グループホーム等の利用を可能に
■介護従事者の待遇改善をさらに拡充
⑥介護従事者の処遇改善へ、介護職員改善交付金の対象枠の拡大し、介護保険外の公的予算の継続。処遇改善につながる介護報酬の引き上げ
■ケア付き高齢者住宅の大幅拡充
⑦高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)や高齢者専門賃貸住宅(高専賃)等の整備充実とともに、公共住宅や空き学校などの活用でケア付き高齢者住宅を大幅に拡充
■介護事業の抜本的な運営の改善
⑧煩雑な事務処理の仕分けを行い、手続きの簡素化、要介護認定審査の簡略化で、すぐに使える制度に転換する
⑨特養ホームなど介護施設の介護職員の配置基準を改め、現行の3:1から2:1に!
⑩要介護を軽減させた介護事業所を介護報酬で評価する制度の導入
■介護を支えるための公費負担を大幅に拡大
⑪介護保険外の公的予算で介護予防事業をさらに拡大
⑫公費負担割合を5割から、当面6割に引き上げ、2025年には介護保険の3分の2を公費負担でまかなう
12の政策提言のほか、当面の対策・早急に実施すべき64の具体的対策についても言及している。今後さらに公明党が一丸となって政策実現に邁進してまいりたい。