<これまでの活動記録>
公明党の女性局(古屋範子局長=衆院議員)と厚生労働部会(渡辺孝男部会長=参院議員)は15日、衆院第2議員会館で合同会議を開き、国立成育医療センター感染症科の齋藤昭彦医長を講師に招き、米国の制度から見た日本の予防接種の課題と新ワクチンへの期待について見解を聞いた。
席上、齋藤氏は、日本が、乳幼児の細菌性髄膜炎を予防するヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチンや肺炎球菌ワクチンなどを任意接種としているのに対し、米国は定期接種化している違いを紹介。さらに、米国では、ワクチン行政への助言を行う予防接種諮問委員会(ACIP)が機能している上、副作用が起こった場合でも、国が全面的に保障する体制が敷かれているとして、「(ワクチンで)個人を守るだけではなく、社会全体を守るという『集団免疫』という概念が非常に重要だ」と指摘した。
また、齋藤氏は、米国はワクチン接種により、ヒブと肺炎球菌の重症患者が大幅に減少していることを報告。「日本の子どもたちを、ワクチンで防げる病気から守るためには、必要なワクチンが国から無償で提供され、安心して接種できる社会環境の整備が必要だ」とし、定期接種化に向けた予防接種法の改正や日本版ACIP創設の検討を提案した。
意見交換では、古屋局長が、日本版ACIPを設立するための支援の在り方を尋ねたのに対し、齋藤氏は「大掛かりな仕事であり、お金と人材の投資が重要」と述べた。
また、松あきら副代表(党女性委員長)は、「子どもの命を守るという、危機管理の中でワクチン対策に取り組まなければならない。政治判断が必要であり、公明党も頑張りたい」と語った。
(2010年3月16日付 公明新聞より転載)