10時から15時まで、厚生労働委員会が開催され、予防接種法案の第2回目の質疑を実施。肝炎対策と予防接種行政について長妻大臣・山井政務官に質問した。特にB型肝炎やC型肝炎対策で民主党議員が野党時代に言ってきた事と現実が違っている事実について糾弾。肝炎患者救済への取組みを訴えた。
Ⅰ.肝炎対策について
1. C型肝炎訴訟の提訴数・和解数、カルテのない和解数はどれくらいか。
法案に入る前に、肝炎対策に関する課題についてお聞きしたい。と思います。 まず、C型肝炎に関してお聞きします。
薬害肝炎問題では、被害者の早期・一律救済を図ることを目的に、平成20年1月、薬害C型肝炎被害者を救済する特別措置法が成立し、給付金が支給される仕組みが出来ています。 給付金を受けるためには、まず国などを相手取って損害賠償請求訴訟を提起することが要件となっており、製剤投与の事実、因果関係、症状が確認された場合、給付金請求ができることになります。
しかし、当時のカルテが既に存在せず、製剤の投与の事実が証明できないために給付金の対象外となる場合が多くあり、救済を求めて訴訟が行われ、訴訟の中には担当医の証言で和解が成立しているケースも出ています。
そこで、確認ですが、これまでのC型肝炎訴訟の提訴者数と和解の数はどれくらいになっているのか。さらに、そのうち、カルテのない方と和解した数についてお示しください。
2.「カルテの実態調査をやるべき」と「100%カルテがあった際の予算額2000億円で国がやるべき」との山井大臣政務官の発言に対し、現在の政府の立場でどう考えるのか。
平成20年1月8日の衆院厚生労働委員会や同年1月21日提出の質問趣意書において山井現政務官は、当時の舛添大臣に対して、カルテの実態調査を求めるとともに、カルテ検索や患者の告知にかかる費用は国が負担してやるべきと発言されております。
さらには、2,000億円の予算をかけてカルテが残っていたら救済すべきと強く求めていましたが、政権交代後、現在の政府の立場で、これに関して何らかの対応をしたのか。現状、どのように考えているのか。お聞きしたいと思います。
3.カルテのないC型肝炎患者の救済をすべきではないか。
昨年11月に成立し、本年1月から施行されている「肝炎対策基本法」は、すべての肝炎患者を救済することを国の責務と定めており、特定血液製剤を使用した可能性があるC型肝炎患者を広く救済する必要があると考える。そこで、こうしたカルテのないC型肝炎患者の救済をすべきと考えるが、大臣の決意を伺いたい。
4.B型肝炎訴訟の和解勧告にどのように対応するのか。
次に、B型肝炎訴訟に関してお伺いしたい。国が法律で義務づけた予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した方たちが国に損害賠償請求訴訟を行っており、原告は全国10地裁で419人にのぼっている。この中で、3月12日には札幌地裁で和解勧告が出され、国が早く和解に応じるよう訴えています。
和解に応じるべきとは、これまで多くの民主党議員が言われてきたことであり、5月14日の期限までに、被害実態を詳細に調査した上で、誠実に検討を行い、しっかりとした結論を出すべきと考えます。
患者の皆さまは高齢化が進み、肝硬変や肝がんで亡くなっていく方が多くいる。時間がない中で、原告の皆さんの信条を考えどのように対応するのか、大臣に見解を伺います。
5.薬害再発防止委の提言にどのように対応するつもりか。
Ⅱ.新たな予防接種行政について
1.予防接種法の対象となる疾病の拡大、任意接種の定期接種への引上げが必要ではないか。
今回の新型インフルエンザのワクチン接種を契機として、わが国の予防接種行政の抜本的な見直しが求められていると考えます。
WHOが接種を勧奨するワクチンが21種類あることに対し、わが国で定期接種化されているワクチンは9種類であり、こうしたワクチン接種の重要性を認識すれば、予防接種法の対象となる疾病の拡大、任意接種の定期接種への引上げが必要であると考えます。
これに対して、アメリカではWHOが定期接種に入れるべきと勧告しているワクチンの中で、日本脳炎とBCG以外のワクチンはすべて定期接種となっており、その結果、ワクチンで防げる疾病の罹患が大変少なくなっています。
特に、これまでも議論となっていますが、昨年承認されたヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチン、さらに、ヒトパピローマウイルスに対する子宮頸がんワクチンなどはワクチン接種による発症リスクの軽減に大きな効果が発揮されるため、さらなるワクチン接種率の向上が求められており、定期接種への引上げが重要です。
ワクチンで救える命がある限り、副反応への対策を十分に行った上で、ワクチンの早期承認、定期接種化について取り組むべきと考えますが、大臣の見解を伺います。
2.接種費用の負担の在り方をどのように考えていくつもりか。
これも今後の部会での議論となると思われますが、費用負担のあり方についてどのように考えていくかが課題です。公衆衛生的に感染の蔓延を防ぐという観点と個人の罹患を防ぐという観点との兼ね合いを考えると、接種費用の負担のあり方について検討が必要があります。
子宮頸がんワクチンに対しては、新しい年度が始まったことから、いくつかの地方自治体で接種費用の助成を実施しています。しかし、これは自治体の一般財源に頼ったままであり、このまま将来的には地域の財政状況によって接種機会の格差が生じる可能性があるとの指摘もあります。
今後、任意接種の定期接種への引上げが困難な状況があるのであれば、国として、低所得世帯への費用助成措置だけではなく、地方自治体によって自己負担額にばらつきがあるという状況を解消するために、任意接種に対する助成制度の制度化などに取り組む必要があるのではないか。こうした接種費用の負担のあり方について、どのように考えていくつもりか、大臣お示しいただきたい。と思います。
3.予防接種の抜本改正に向けた大臣の決意を伺いたい