<これまでの活動記録>
公明党の山口那津男代表は25日、衆院第1議員会館で、社会保障トータルビジョン検討会(座長=坂口力副代表)の初会合に出席し、あいさつした。
同検討会は、地方議員の代表らも参加して社会保障制度の全体像を議論し、公明党の主張を明確化するもの。年内の提言取りまとめをめざしている。
具体的には、(1)年金(2)医療(3)介護(4)子育て(5)障がい者(6)雇用(7)住宅(8)貧困・格差(9)高齢者などの孤立化(10)社会保障と分権――の10分野を軸に議論を進め、それぞれの分野で考え方や求められる財源の規模などを示す方針。
会合の冒頭、山口代表は、「(参議院)選挙の時は、(論点として)消費税が提起されたが、国民に負担をお願いする前に、国民のニーズ(要望)を政治が受け止め、課題を定め、その上で負担の在り方を検討するのが議論の筋だ」とし、全体像を議論する意義を力説。
さらに、「公明党は参院選(マニフェスト)で『新しい福祉』を標榜し、うつや児童虐待、独居老人の孤独死の問題など、新しいリスク(危険性)に対応する施策が全く追いついていないという問題提起をした」と強調。その上で、「われわれが意識したリスクが顕在化する事件が顕著になっている」と述べ、相次ぐ所在不明高齢者の問題や児童虐待事件への対策を拡充させる必要があると強調した。
坂口座長は、社会保障制度の議論が経済情勢や地方分権などの分野と密接にかかわることを念頭に、「国のトータルビジョンをつくるぐらいの覚悟で周辺の問題も見ていかなければならない」と力説。さらに、「ビジョンは実現可能なものでなければならない。あれもこれもやりたいと言うだけでは示しがつかなくなる」と述べた。
会合では、出席議員から「持続可能な社会保障制度のベースには強い経済が必要」「制度の支え手が減っていくことを考えれば、女性や高齢者の雇用確保が重要だ」「国民年金をどう充実させるか。特に、単身高齢者の対策を進める必要がある」などの意見が出された。
(2010年8月26日付 公明新聞より転載)