<これまでの活動記録>
公明党厚生労働部会(渡辺孝男部会長=参院議員)は10日、参院議員会館で会合を開き、多くの抗生物質が効かない多剤耐性菌の感染例が相次いだことを受け、その現状と対応策について、厚生労働省から報告を受けた。
席上、厚労省は、帝京大学病院での院内感染が問題となった「多剤耐性アシネトバクター」について、今年2月に同病院で1例目が検出されてから、同病院が9月2日に行政に報告するまでの経緯を説明。行政への報告の遅れについては「院内感染を防ぐ機能がうまく働かなかったことや、多剤耐性菌の情報が院内で共有されていないことなどが原因と思われる」と述べた。
公明党側からは、欧米で10年前から多剤耐性アシネトバクターの拡大が問題となっていたにもかかわらず、国内の医療機関に対し、国への報告が義務付けられていなかった点を問題視。「アシネトバクターについて、早く省令で届け出を義務化すべきだ」「厚労省も危機感がない。今後、海外から新たな多剤耐性菌が入ってくる恐れもあり、スピーディーな対応が必要だ」など、さまざまな意見が出された。
また、獨協医科大学病院で見つかった「NDM―1」という抗生物質分解酵素をつくる遺伝子を持った多剤耐性大腸菌について、公明党側が今後の対応を尋ねたのに対し、厚労省は「他の細菌にうつる可能性があり、より病原性が怖いものになる可能性がある。実態把握に努める」と述べた。
このほか、公明党側からは多剤耐性菌の発生を防ぐため、抗生物質の乱用防止策や、海外渡航者への注意喚起の徹底などを強く求める声が挙がった。
(2010年9月11日付 公明新聞より転載)