午前中、厚生労働委員会が開催された。国会の閉会中審査として、社会保障などの一般質問を行なう。
病院の耐震化と障がい者施策について長妻大臣に質問。
病院耐震化では、長妻大臣が野党時代に病院耐震化で質問していた事が、現実やれていない状況を指摘、早急に耐震化を取組む事を強調した。
また障害基礎年金の認定基準については、高次機能障害などあらたな病気や障害も認定基準を検討すべきことを主張。この11月に改定し、明年には取組みを検討する事の発言がある。
1.耐震改修状況調査の結果についてご報告いただきたい。
病院の耐震化について長妻大臣にお聞きしたいと思います。病院の耐震化は、学校の耐震化とともに大変に重要な課題であり、大臣は野党時代より熱心に取り組んでこられたと伺っております。災害時に搬送された病院が一番危険な建物で、倒壊の恐れがあるというのでは、二次災害の危険性もあると思いますので、こうした公共事業については重点化して取り組む必要があると考えます。
そうした中、厚生労働省は本年1月5日に、病院の耐震改修状況調査の結果について取りまとめ公表いたしました。
そこで、まず、この状況調査について、結果の概要をご報告いただきたいと思います。
2.基金の活用状況はどのようになっているのか。
調査回答のあった8611病院のうち、すべての施設で耐震基準を満たしていると答えたのが全体の56.2%、4837病院で、そのうち災害拠点病院などは373病院、耐震化率は62.4%とのことであります。
平成20年4月の「中央防災会議」において決定した政府の計画では、平成22年度末までに耐震化率を71.5%とする目標を定めております。その目標からみると、耐震化はさらに進めるべきと思います。
さらに、病院の耐震化には、コストの問題が大きくのしかかるため地域間格差が生じております。
都道府県別の耐震化率は、滋賀県が最も高く75.0%、ついで、静岡、沖縄が高く、一方低かったのは岡山県の36.9%、京都、福島の順でありました。災害拠点病院などの耐震化は山形県が100%ですが、岡山県は14.3%。地元の香川県は28.6%。 こうした地域によるバラつきも是正すべき課題であります。
自公政権の時の、平成21年度の第一次補正予算では、整備費を補助するため総額1,222億円の「医療施設耐震化臨時特例交付金」を設置いたしました。各都道府県には基金が用意されて、耐震化に活用されており、大きな成果が上がっていると思いますが、これまでの基金の活用状況についてご報告いただきたいと思います。
3.IS値0.3未満だけでも早急に対応すべきではないか。
この基金については、平成21年、22年の2年間だけであり、すべての病院に対応できる訳ではありません。
学校の耐震化には、今年度の予備費を使って追加の耐震工事が進められているとのことであります。病院の耐震化も重点的な対応が求められております。
この耐震性には、IS値という指標が使われており、0.6以下では耐震基準を満たしておりません。2006年の国土交通省の告示では、震度6強の地震で「倒壊し、または崩壊する危険性がある」と明記されております。
また、同省の告示では、安全基準の半分であるIS値0.3未満は「危険性が高い」となっており、退去勧告を出すべき危険度の高い建物が含まれるということであります。
今回の調査結果では、驚くべきことに、そうしたIS値が0.3未満の建物を有する病院数が164病院あり、災害拠点病院でも36病院あるとのことであり、いつ退去勧告や使用禁止命令が出てもおかしくありません。
このIS値のデータについては、大臣が野党時代から強く求めてきた結果、出てきたものであります。そうであれば、この0.3未満の164病院なかんずく災害拠点病院36病院だけでも緊急に、優先的に、耐震補強できるよう大臣が率先して、対応すべきですが、いつまでにやるのでしょうか?
【今までの耐震化について大臣の発言内容】
21年3月11日 厚生労働委員会
「厚生労働省は何にも計画性がない。ことしが何棟、来年何棟、いつ頃終了するのか何にもないんです。ゼロです。」
21年2月4日 予算委員会
「非常に悠長な、病院についてはいつ耐震補強工事が終わるかわからない事で、これは国民の命にかかわることでもありますので、こういうのを前倒ししてどんどんやる。2兆円のばらまきをやめて、安心・安全を高めるためにどんどん使う」
21年4月10日 厚生労働委員会。
「病院というのは8割が民間でございますが、災害が起こった時に、これは1番大事な拠点の1つになるわけでありますので、厚労省がきちっと責任を持って耐震改修計画を立案する事を明言を」
4.目標達成に向けた大臣の決意を伺いたい。
できない理由を挙げれば、きりがないと思います。この病院の耐震化は人命にかかわるものであり、速やかに対策を講じる必要があると考えますので、入院患者の移動など課題に対して、具体的な支援策を検討いただきたいと思います。
大臣は調査結果を公表した際に、「実態調査を速やかに行って対策を講じる」「あらゆる手段を使って目標を達成していきたい」といわれております。
さらに、大臣は以前、「危険な病院や学校などを一気に耐震化すれば、雇用も産み、一石二鳥となる。」と言われておりました。
先日10日に閣議決定された、追加の経済対策の中には、基金の積み増しが行われているとのことでありますが、耐震化の重要性を認識されているのであれば、計画の前倒しや国の負担割合の拡大など、さらなる拡充策が求められると考えます。
ぜひとも大臣の実行力で推進していただきたいと思いますが、目標達成に向けた大臣の決意を伺いたいと思います。
Ⅱ.障害基礎年金の審査基準について
1.障害基礎年金の認定基準の改正状況についてご報告いただきたい。
障害基礎年金の障害認定について昨年も質問いたしました。就労している事実のみで、2級から3級になった事などとりあげた内容ですが、その後全国の社会保険事務所へ改善の通知が出された経緯もあります。
知的障害だけでなく、障害者全体に判断基準があいまいで、また認定基準も古い指針を活用している実態です。(平成14年の見直し以来大きな見直しがない。見直しの準備に7-8年かかるため、15年以上も変わっていない。年金記録問題対応。
また最新の医療技術も進んでおり、現状にそぐわない実態も多くあります。
たとえば てんかんは『頻繁な発作があるかどうか?』周1回発作があれば頻繁なのか?意識がない大きな発作やそうでない発作もあり様々。
現在障害者認定基準の1部改定を含め、パブリックコメントを発表し、検討を進めていると聞いています。その改正の取り組み状況についてご報告いただきたい。
2.新しい病気や障害に対する基準見直しを今後どのように行うつもりか。
* 制度の谷間の方々の支援
本年の委員会質問でも高次機能障害や軽度外傷性脳損症など質問したが。
高次脳機能障害などや化学物質過敏症など新しい病気・障害に対しても対応が求められている。認定基準からはずれ、年金がもらえないで苦労されている方々への対応は喫緊の課題。
今後の障がい者基準認定の取り組みついて、政府の見解をお伺いしたい。
* 「障害厚生年金の支給決定の遅れ」について。
年金記録問題のあおりで、その対応優先で職員が配置されたために、審査のまわる人材が手薄になり、日本年金機構は、請求から決定まで「3ヶ月半」の基準が昨年度達成率わずか1割。今年度も最長で倍の7ヶ月かかる。平均半年。
生活費に困窮する障害の方からは「生活の糧になる障害者年金の審査が何故これほど遅れるのか?」悲鳴に近い苦情も多い。
4月から一部増員されているようですが、是非弱い立場の方々への対応改善に取組んでいただきたい。