栃木県秋の田園風景


朝、東京駅から東北新幹線なすの号で那須塩原駅へ。

栃木県大田原市にある黒羽刑務所(くろばね)を浜田参議院法務委員長と視察。


黒羽刑務所で意見交換


小林所長・小山総務部長などから概要の説明を聞き、視察内を見学する。

収容定員1820名で実際は1472名。初犯のA指標が8割。外国人も13.3%をしめる。職員は322名。

平均刑期は日本人3.5年・外国人6.6年。平均年齢は日本人44.2歳・外国人33.3歳。日本人罪名は1位窃盗2位薬物事犯。外国人罪名は1位強盗2位窃盗。知能指数の60未満は18.8%。60~70未満18.9%。100未満が大半。知的障がいを持つ割合多い実態である。自立困難者は約240名。(内訳は知能指数60以下の知的障がい151名・身体障がい18名・高齢者71名)


住まい


工場内の作業風景


見学では、受刑者の部屋(7~10名の大部屋が多い)保護室、工場内の作業風景など施設内をまわる。

昭和46年の創設のため、建物は古い。

懇談での釈放時の保護への主な課題として
①福祉施設・病院の受入先の確保②生活保護受給に向けた個人情報の取扱い③収容中の要介護認定④地域生活定着支援センターの充実など指摘される。

地域生活定着支援センターが栃木県に年初からスタート。特別調整の事例など伺う。厚生労働省と法務省また市町村と民・福祉施設などの連携が課題。


リハビリセンター


広々とした住まい棟


午後からは栃木県さくら市にある喜連川社会復帰促進センターを視察。大森センター長などから概要を伺う。センターは約42万㎡の敷地で東京ドーム約9個分。大変広い。

東日本では初めてのPFI方式による官民協働の刑務所。

2000名の収容定員で現在1467名。2010年末には1838名に。職員247名。民間職員は180名。
精神疾患・知的障がいのある受刑者250名。身体障がいのある受刑者250名の受け入れが可能。

センターでは、精神又は身体に障がいを有する受刑者を収容する特化ユニットがあり、作業療法やリハビリテーションなど専門的プログラムで円滑な社会復帰を目指している。精神障害は103名。知的障害19名。高齢者の養護者165名。

センターは、受刑者の出所後の就労支援にも力をいれており、職業訓練により、働く事と資格取得を結びつけて社会復帰に役立てていた。昨年訪問した島根あさひ社会復帰促進センター同様に先進的である。
https://www.yamamoto-hiroshi.net/archives/cat52/cat120/2009/05/11_1246.html

また介護のヘルパーやパソコンでのコールセンターなどの訓練が行われていた。明るく個室中心のセンターは心身のリフレッシュになる。

両施設とも精神疾患などの薬が3~4割近い受刑者が使用されている事など課題も多い。海外と比べ高齢者や障がい者の受刑者が多いのは、社会保障のセーフティネット機能が不備のためである。課題解決に今後とも全力で取り組んでまいりたい。