<これまでの活動記録>
公明党厚生労働部会(渡辺孝男部会長=参院議員)は4日、大阪府吹田市を訪れ、「世界一の救命力」と言われる、同地域の救急救命を支える医療機関を視察した。渡辺部会長のほか、赤松正雄、古屋範子の両衆院議員、山本香苗、山本博司、秋野公造の各参院議員、福島豊前衆院議員、藤井一東京都議が参加した。
一行ははじめに、大阪府済生会千里病院(林亨院長)の千里救命救急センターを訪問。同センターが運用するドクターカーについて説明を受けた。
ドクターカーは、人工呼吸器や心室細動を止める除細動器などを搭載した“走る救急救命室”。医師や看護師、救急救命士が乗り込み、患者のもとへ直接、医療を届ける救命率向上の担い手だ。同センターでは1993年、365日24時間体制で運用を開始。出動回数は年間約2000回で全国でもトップレベルを誇っている。
懇談の席上、甲斐達朗同センター長は、「心停止した患者の生存率が平均の2倍以上に上がった」と話し、ドクターカーの効果を指摘。その一方で、「費用負担が大きく、ドクターカー部門は不採算だ」と窮状を説明した。運用には年間約5400万円かかるが、運用による収入は約770万円で「走るほどに赤字」という。さらに、大阪府からの補助金が来年度以降、打ち切られる見通しで、公明党に対し「“継続の危機”を乗り越える政策をお願いしたい」と要望した。
渡辺部会長らは「診療報酬の改定のほか、人件費への補助金など支援策を探りたい」と語った。
続いて一行は、大阪大学医学部附属病院(福澤正洋病院長)で、同地域の高い救命力を担うもう一つの柱であるドクターヘリを視察した。大阪府が2年前、大都市圏で初めて導入し同病院に運用を委託したもので、治療開始までの時間を大幅に縮めてきた。同病院高度救命救急センターの嶋津岳士センター長らから説明を受け、人材不足や処遇の改善などで要望を受けた。
(2010年10月5日付 公明新聞より転載)