要望書をいただく


「お泊りディサービス」の制度化の課題など伺う


「お泊りディ」の制度化を心配する介護現場の会の方々が事務所に来訪。

「宿泊付きデイサービス」制度化についての要望書をいただき、概要をうかがう。公明党山口県宇部市長谷川耕二市会議員が同席。

岩手県・宮城県・東京都・名古屋市・大阪市・山口県など全国で、地域密着型の小規模ディサービスを運営している事業者の皆様。

約20年前から制度のない中、地域住民とともに手づくりで宅老所や民間ディサービスとして立上げ、運営。介護保険施行後は、認知症専用の通所事業所や小規模通所事業として継続運営してきた。

認知症のお年寄りは、夜間に不安や混乱が激しくなるため、介護保険外で自主事業の「泊り」を実施し、お年寄りの在宅を支えてきた。

今回浮上した「宿泊付きデイサービス」の制度化について慎重な議論と制度施行を望む下記の要望・提案である。

【「宿泊付きデイサービス」制度化について】

厚労省は8月23日介護保険部会で「お泊りディサービス」を提案し、20011年度概算要求で「家族介護者支援(レスパイトケア)の推進」として施設整備費にあたる内容として100億円が盛り込まれた。

【宿泊付きデイサービスの評価・見解】

社会サービスとして必要であり、当事者の生活支援として重要な実践であると評価されたものと理解し、「制度化」そのものには賛成。

しかし制度化されるのは余りに性急すぎる。全国で取り組まれた経過、現状の成果と問題点、課題など実態を調査し、時間をかけた慎重な議論とモデル事業実施などの準備期間を充分に必要。

また現在検討されている制度化のあり方について反対。家で暮らせなくなる高齢者を増やすことになるのではないかと危惧する。

【危惧する点】
1.運営費の問題
2.マネージメントの問題
3.給付上限の問題
(利用者は限度額を超え、宿泊どころか、通所も制限されない)
4.制度化によって自主事業が制限されないか?

【提案】
1.これを機会に、ショートスティのあり方を抜本的に検討を。
2.まず国のモデル事業を認知症通所介護事業所において実施。財源は東京都と同様一般福祉財源で対応を。
3.もし「宿泊付きデイサービス」が制度化されても、これまでの「泊り」の自主事業を制限しないで。

切実な声を真剣に受けとめ、様々な観点から研究してまいりたい。