<これまでの活動記録>

厚労省から軽度外傷性脳損傷の検討状況の説明を聞く渡辺(奥右)、山本(同左)の両氏=5日 参院議員会館
交通事故などで脳に損傷を受けて手足まひなどの重い後遺症を負いながら、損傷が画像検査で発見されにくく診断基準もないため、多くの患者が適切な治療や補償を受けられずにいる「軽度外傷性脳損傷(MTBI)」――。

この患者の救済に向けて、公明党厚生労働部会の渡辺孝男部会長と山本博司同代理(ともに参院議員)は5日、参院議員会館で厚生労働省の担当者と意見交換し、診断基準策定へ早急な取り組みを訴えた。

MTBIについては、山本氏が今年4月20日の参院厚労委で早急な対策を訴え、厚労相から「どう研究し、どう診断ガイドライン(基準)を決めていくのか検討を進めたい」との答弁を引き出しており、これを受けて厚労省は6月、省内に関係部署の連絡会を設置し、検討を始めている。

席上、厚労省側は、同連絡会でMTBI治療の第一人者である湖南病院(茨城県下妻市)の石橋徹院長ら専門家や、患者会からの聞き取り調査を進めていると報告。「来年度は、MTBIに関連する高次脳機能障害の研究班で、症例の収集や海外論文の調査を進めたい」と表明した。

これに対し渡辺部会長は、「多くの患者が苦しんでいる切実な現状を踏まえ、診断基準策定への本格的な研究班の立ち上げを急ぐべきだ」と主張。山本氏は画像診断技術の向上を図るよう求めた。

 (2010年11月8日付 公明新聞より転載)