公明党本部にて両院議員団会議の後、「がん対策推進本部」が開催された。
松あきら本部長の挨拶の後。2人の方からの講演の後、意見交換。
最初は、大阪府成人病センター がん予防情報センター長 津熊秀明先生から「わが国のがん対策の課題・問題点」で講演。(下記内容の骨子)
1.がん対策の要約
・がん医療・基礎研究に偏しており、がんの1次予防(発がん予防)、2次予防(早期診断、早期治療)への施策が的確に実施されていない。
2.がん対策に予防対策を
①たばこ対策②がん検診の提供整備
3.公的政策は社会格差是正策が優先
4.子宮頸がんワクチン・PSAによる前立腺がん検診の問題点
5.喫煙対策・地域がん登録事業の課題
6.がん対策の企画・進捗点検見直しのための常設機関設置の必要性など等。
続いて、北海道大学大学院医学研究科消化器内科教授 浅香正博先生から「わが国からの胃がん撲滅をめざして」。(下記講演骨子)
1.なぜピロリ菌感染患者に除菌が必要なのか?
・年間5万人が亡くなる胃がんの大半はピロリ菌の感染である
・ピロリ菌は陽性が90%以上で毒性が強い
・感染源を断つことで感染は広がらない
・除菌方法は容易で費用も安い
(スクリーニング(約7000円)と除菌治療(約5000円)のみ)
2.わが国の胃がん撲滅の道程
①ピロリ除菌の保険適用拡大
②胃がん検診の充実
③ピロリ除菌による胃がん予防
3.要望事項
①肝炎・肝がん対策と同様の胃炎・胃がん対策の実施
②胃炎・胃がん対策基本法の制定
③年間200億円の胃炎・胃がん対策費の予算化
大変貴重な講演内容で、今後の公明党がん対策の政策反映に参考になった。