公明党社会保障トータルビジョン検討会として、静岡県三島市のグラウンドワーク三島を視察。
NPO法人グラウンドワーク三島は、日本で最初に英国のグラウンドワーク手法を導入して、富士山からの湧水が減少して環境悪化が進行した「水の都・三島」の水辺自然環境の再生と改善を目的として、市内8つの市民団体が中心となり事業をスタートした。現在では20以上の市民団体がかかわっている。
グラウンドワークとは1980年代に英国で始まった実践的な環境改善活動。「グラウンド」とは生活現場の意味で、自分の身近な問題を自分たちで行動することで解決していくもの。
市民、行政、企業の真ん中に「グラウンドワーク」という専門性の高い調整役の市民団体を据える事で、それぞれの長所を有機的に結合させパートナーシップ力を生み出すもの。日本流でいえば「地域再生、みんなでやれば怖くない」との事。
遊休地を公園化のみどり野ふれあいの園、悠々工房ひろかわ、ドブ川化した源兵衛川の再生、絶滅した水中花・三島梅花藻(ミシマバイカモ)の復活、三島街中カフェ等、53事業150のプロジェクトの1部を渡辺豊博事務局長の案内で見学。
・森元町会長の手づくりの公園建設の経緯や悠々工房での小濱代表の熱い語りなど市民が主役。知恵と工夫の結晶。
・ドブ川化した源兵衛川の再生現場には豊岡三島市長も駆けつける。市民運動で今ではホタルが乱舞する自然度の高い川に変貌。
・三島梅花藻(ミシマバイカモ)の里では、湧水の減少と水質悪化により市内の川から姿を消した水中花・ミシマバイカモを復元。
それぞれ、自然を生かした地域活性化の取組に感銘を受ける。
また「右手にスコップ 左手に缶ビール」の合言葉に現場主義に徹する姿勢にも共感する。
「社会貢献ビジネスで起業を」との活動に取組むNPO法人グランドワーク三島。
内閣府の地域社会雇用創造事業(平成22年度)に採択され、予算は2年間で10億円。人材育成(インターンシップ)支援として全国から2400人を研修。優秀な提案者100人に100万円の企業支援金を支給する。第1期は17人
食を通じてのコミュニティづくりを事業プランにして支給が決まった川村さんやお笑い福祉士養成を目指す河合さんの体験を伺う。「社会的企業」を立ち上げて地域再生に取り組む大切な取組みである。
社会保障のあるべき共助の姿が、グラウンドワーク三島の視察を通じて大きなヒントをいただく。まさしく市民、NPO、行政、企業とのパートナーシップで創る「新しい地域再生の道」である。