内航船から見る中ノ島(海士町) 


海士町(中ノ島)


隠岐の島西郷港からフェリーしらなみで海士(あま)町菱浦港へ。1時間10分程の距離。


島根県と隠岐の島


島前3島・海士町の位置


隠岐汽船のフェリー


海士町は(あまちょう)は島根県隠岐郡の町。隠岐諸島の島前三島のひとつ・中ノ島に位置する。面積33.5平方キロ、世帯数1,100世帯、人口2,352人(2011年3月)。

隠岐島前は、島根県の北60キロ、日本海に浮かぶ隠岐諸島の中の 3つの島(西ノ島町、海士町、 知夫村)で、世界第一級の 景勝地である「摩天崖」や日本の名勝「赤壁」に加え、 後鳥羽上皇や後醍醐天皇が配流された地としても有名。


澤田副町長・岩本氏等


三島県議・篠原市議


海士町の澤田副町長・吉元高校魅力化PT担当課長・岩本高校魅力化プロデューサー等と懇談・意見交換。

離島が生き残るための様々な事例を伺う。特に”人づくり”からの”まちづくり”と教育に力を入れている取り組みに感銘。

 以下海士町の『教育の魅力で全国から人を呼ぶ』の取組みを紹介。

【海士町の歴史】
・平成の合併でも3町村とも合併しない決断
・地方交付税の大幅削減で財源難
・自主的な給与の大幅カットを伴う行財政改革を断行。
「まちづくりの原点は人づくりにあり」という信念から少子化対策や次世代育成など投資。

【海士町の忍び寄る危機】
『高校の存続問題』
・島前高校10年間で生徒数半減(全校生90人程度)1学年1クラス
・10年間で入学者数77名(H9)から28人(H20)へ激減
・高校がないと経済的負担(3年間の本土高校に通わすと450万)
・島の活力もなくなり若者Uターンや出生数を増やす持続可能なまちづくりの島の方針も水泡に帰す

【対策】
①地域と学校の連携による魅力化プロジェクト
②指針1 学校連携型の公営塾「隠岐の國学習センター」(H22.4)
・一人一人の力を最大限に伸ばせる教育環境の整備
③指針2 「観光甲子園」グランプリ受賞(H21.8)
 
・地域の未来をつくる人材の育成
④指針3 「島留学制度」新設(H22.4)
・全国からも意欲ある生徒を募集(寮費食事補助)
 

【4年間の取組み成果】
・今春卒業生の3割が国公立大学合格(平成22年3月)
・入学志願者平成20年度27名から平成23年度44名(関東・関西からも)

【課題】
①課題1 教職員数の確保
標準法により離島など小規模校の場合、教員数8名。
8名では、高校の運営が出来ないため、県からの加算と町から4人の派遣で対応(社会教育主事、魅力化事務局、図書館スタッフ、事務スタッフ)

②課題2 継続性の担保とそのための仕組み作り
・島前高校管理職は2~3年おきに変わる

【今後魅力化の先に】
・若者の定住と持続可能なまちづくり
 

【要望事項】
離島の地理的条件に配慮した小規模校への教職員定数の充実『標準法の見直し』について

・「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(以下標準法)」は全国一律の基準で算定されている。昭和36年に本土の高等学校を想定して設計されており、離島の高校に考慮されていない。

・離島小規模校において
①本土並みの選択科目開設に必要な教職員配置
②養護教諭の配置③習熟度別指導教員の配置④進路指導担当の配置
⑤図書館司書の配置⑥実習助手の配置⑦寄宿舎舎監定数の加算などが盛り込まれ、離島地域の実情に適応した標準法の改正を

・もしくは標準法改正が難しければ、離島振興法の特例措置で対応。

(参考)
*島での就職や起業、島暮らしの運動を展開した結果
・188世帯310人のIターン者が海士町に定住(H23.3)
・Uターン者173名

*町の支援策
・Iターンのための定住対策(H16年度~H21年度)
定住住宅の新築39戸、空き家リニューアル28戸 合計67戸整備(H21)

・少子化対策
結婚祝い金(10万円)、出産祝い金、妊婦出産交通費助成、不妊治療のための交通費助成、18歳以下の精密検査のための交通費助成、保育料第3子以降無料、就学前児童奨励金5万円、頑張る子ども応援事業補助金など