佐渡視察の続報。
佐渡市は平成22年12月に石川県能登地域とともに日本初のGIAHS(ジアス)認定申請をし、平成23年6月、両地域の登録が決定した。
ジアス(GIAHS:世界農業遺産)とは、FAO(国連食糧農業機関)が提唱している「Globally Important Agricultural Heritage Systems」の略称。
後世に残すべき生物多様性を保全している農業上の土地利用方式や景観について、FAOが認定するも
ので、今後、農業振興だけでなく観光振興のきっかけとしても大きく期待できる。
GIAHS認定となる佐渡市の下記取組みを伺い、現場視察も行う。
佐渡市は「トキの野生復帰と人の共生」についての取組みの中、「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を推進している。
・この制度はトキの餌となる小さな生きものの命を守り、水田を中心とした生態系の再生から生息環境の向上と佐渡米のブランド化による農家経営の安定を目指して発足。
一般財団法人 佐渡生きもの語り研究所 佐々木副理事長から案内していただく。高野市長も同行いただく。
・認定には水田で冬みず田んぼ、江(水田内ビデオトープ)の設置や魚道やビデオトープを設置が必要。
江内にいる生きもの調査を実施。どじょうや小さな生きものが生息いるのがよくわかる。子供の頃に戻ったようだ。
・生きものを育む農法として普及。ブランド米として大手量販店、米屋など首都圏・関西圏を中心に販売されている。
・生きものを育むのうち実施面積も4年前平成20年の426ha(水稲面積の7%)から平成23年は1320ha(水稲面積の23%)に大幅に拡大。(当初は農薬の散布中止への反対等もあったが、生きものを育む農法の普及へ、粘り強い市長らの取組みで大きく浸透)
・トキをシンボルとした都市との交流に発展している。
視察はできなかったが美しい里山・棚田の保全と活用の「トキと共生する佐渡の里山」として取組みも推進されている。