<これまでの活動記録>
公明党離島振興対策本部(遠山清彦本部長=衆院議員)は6、7の両日、東シナ海に浮かぶトカラ列島(鹿児島県十島村)を訪れ、島々を視察するとともに、島民とも精力的に懇談し、離島の抱える課題を探った。遠山本部長、江田康幸総合本部長(衆院議員)、山本博司事務局長、長沢広明、竹谷とし子の各参院議員が参加した。
トカラ列島は、屋久島と奄美大島間に点在する有人7島と無人5島からなり、全域が十島村。南北約160キロに及ぶ日本一長い村で、人口はわずか602人と過疎化が進む。交通といえば、たった一隻の村営定期船「フェリーとしま」(1391トン)が鹿児島市と奄美大島間の島々を週2回往復するだけ。
5日の午後11時50分に鹿児島港を出港した船は、204キロ離れた最初の寄港地・口之島へ。乗船早々、一行は敷根忠昭村長ら村執行部と懇談。同村長は「定期船で十島村に入った国会議員は今回が初めて」と歓迎し、党視察団に期待を寄せた。
6日午前6時。夜明けとともに船は口之島に着岸。さらに、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島と寄港を重ね、最南端の宝島に午後1時すぎに着いた。その間、一行は寄港の島々で下船し、出港までのわずかな時間を割いて島民との交流を重ねた。各埠頭では、同村長に次いで、遠山本部長が「公明党は現場第一主義。離島の生の声を聞くため来ました」とあいさつ。平島では「波が荒いと船が何週間も着岸できない。波に影響されない港を造って」と窮状を訴える婦人の姿が印象的だった。
宝島では、サルセベリアの栽培地、荒波で傾斜した防波堤などを視察後、懇談会に。冒頭、敷根村長は遠山本部長に、介護サービス事業の財政安定支援、航路運賃軽減、港湾施設整備促進など6項目の要望書を手渡し、「2013年3月末に期限切れとなる離島振興法の改正延長」を求めた。参加者からは「戦前戦後を通じ本土との格差に苦しめられている」「宝島は国境の島。領海確保のためにも無人島にならない施策を」など要望が相次いだ。
2日目の7日は、高速艇で130キロ離れた口之島へ。同島は戦後、米軍が日本から分離し統治下に置いた北緯30度線の“国境の島”。住民との懇談会では「介護サービスが受けられる施設を」「医師の巡回診療を週1回程度に増やせないか」などの声が寄せられた。
一連の懇談会で遠山本部長は、離島の振興を推進する離島特区の創設などに取り組む考えを示した。
(2011年9月10日付 公明新聞より転載)