<これまでの活動記録>
公明党災害対策本部の木庭健太郎本部長(参院幹事長)と障がい者福祉委員会の高木美智代委員長(衆院議員)は25日、首相官邸で藤村修官房長官と会い、野田佳彦首相にあてた「災害時における障がい者(児)支援と今後の防災対策に対する提言」を手渡した。石田祝稔衆院議員、山本博司参院議員が同席した。
この提言は、今月6日に党として16の障がい者団体と意見交換した際、東日本大震災を教訓に災害時の被災障がい者支援に必要な観点として寄せられた要望をまとめたもの。
高木委員長は東日本大震災では障がい者の人的被害の実態が明らかになっていない点に触れ、「障害者手帳の所持者を対象に、速やかに被害実態を公表することが、今後想定される大規模災害の防災対策にも役立つ」と指摘した。
また高木委員長は、関係団体などが被災した可能性のある障がい者の氏名や住所などを自治体に問い合わせても、個人情報保護法により安否確認が進まず、孤立状態に置かれた人が多かったことに言及。「災害時要援護者制度」の見直しも含め、安否確認体制の整備が必要だと訴えた。
さらに提言では、総務省の避難者情報システムへの避難者登録について、自己申告のため全容把握ができないと指摘し、地方自治体が本人の同意を得なくても同システムに登録できるよう、早急に運用改善すべきだと提案した。
このほか、災害時に専門スタッフを配置した「福祉避難所」の設置や、指定避難所における個別スペースの確保を求めたほか、仮設住宅の浴室・トイレなどのバリアフリー化、テレビ放送での手話通訳、字幕をはじめとする情報提供対策や、各種補償に関する相談支援の整備なども明記した。
木庭本部長は「障がい者の方々が災害弱者なのは明らかだ」として、今後の障がい者の防災対策に提言を生かすよう求めた。
これに対し藤村官房長官は「(提言の内容を)関係各省に伝え、それぞれ対応するよう指示する」と述べた。
(2011年10月26日付 公明新聞より転載)