公明党がん対策本部(松あきら本部長・秋野公造事務局長)として国立がん研究センターを視察。
がん患者の緩和ケア推進へ、臨床研究と基礎研究の連携で、がん患者の様々な症状改善に大きく役立っている状況を伺う。モルヒネ等でも効かない激しい痛みに対して、新しい薬剤・漢方薬などの薬物療法で実行性を高める研究を聞き、大変感銘を受ける。(下記視察内容)
【国立がん研究センター中央病院 緩和医療科・精神腫瘍科 科長 的場先生の説明を伺う。(臨床サイドから下記内容)】
「ガン疼痛治療とトランスレーショナルリサーチ」~新しい薬剤の使い方と基礎の連携~
1.臨床疑問の基礎への投げかけによる治療開発
①腹膜播種に伴う腹痛 (リドカインが有効)
・腹部全体の疼痛は、モルヒネなどのオピオイドを増量しても効果がでないが、臨床の症例でリドカインが有効だった。
②脊椎骨転移に伴う動作時痛 (ケタミンが有効)
・モルヒネで効かない症例もケタミンの治療が有効
③口内炎の痛み
・局所麻酔や抗がん剤などで痛みはとれても味も食感も分からなくなる
①緩和ケアチームの地域へのアウトリーチ②オープンベッド③レスパイトケア(家族の休息のための入院)
【国立がん研究センター がん患者病態生理研究分野 分野長上園先生の説明】(基礎研究サイドから)
「がんと診断されてからの緩和ケア推進と患者のQOL向上について、基礎から臨床への橋渡し研究について」
・臨床研究①腹膜播種に伴う腹痛に対するリドカインの鎮痛効果とメカニズム②脊椎骨転移に伴う動作時痛とケタミンの鎮痛効果③口内炎の痛みへの対応(キシロカインの効果
・がん治療の副作用軽減・がん患者のQOL向上のための漢方薬の臨床応用研究(がんと漢方薬)
①六君子湯の効果(すい臓悪液質の改善と寿命延長、子宮がん化学療法による食欲不振改善)
研究所の新体制と診療部門との連携を軸に活動を進める。新体制で・は、①発がん機構研究グループ②分子標的研究グループ③分子診断・個別化医療開発グループ④治療開発グループ