八丈島は地熱発電など自然の力を利用した再生エネルギーを推進している先駆的な島である。
三原山がある中之郷地区の「八丈島地熱発電所・風力発電所」を藤井都議、山下町議と共に視察。東京電力の八丈島事業所の大井所長から説明・案内いただく。
地熱発電所は国内18カ所あるが、離島は八丈島のみ。
約8千人が暮らす島の電力需要1万kwに対して平成11年3300kwの地熱発電所が建設された。
マグマ溜まりの熱で加熱された熱水を利用して、最終的に発電する方法。
(発電所のしくみ)
・マグマによって熱せられた地熱貯留層の熱水を蒸気井によって地上に取り出す。
・その蒸気の圧力でタービンをいまわし、発電している。
火力発電所が石炭や石油など燃やして熱を出し蒸気を発生させるのに対して、地熱発電は地球の中がボイラーの役割。
・使用後の蒸気を復水器で冷却水により凝縮し、温水にする。温水は冷却塔に送られる。
・温水は冷却塔で冷却され、復水器に送られ蒸気を冷却し、温水に変えるために再び循環使用される。
利用後の温水は、農業施設で植物を育てることにも利用されている。町営の省エネ温室には、約50種類の南国の果実や花が並ぶ。隣接する「えこ・あぐまりーと」では八丈島の農産物を展示即売している。
また風の強い八丈島ならではの風力発電もある。
風速2.5㍍から発電を開始。14㍍で500kwとなる。風速25㍍を超えると安全性を考慮し自動停止となる。
地熱発電も風力発電も内燃力発電所から遠方監視制御を行っている。
大地を沸かし、風が作るエネルギーを活用する島。クリーンアイランド構想実現へ、さらに町あげての取組みとなる。
また休止しているTEPCO八丈島地熱館は町が東京電力から買取り、引き続き八丈島の魅力あふれる映像・楽しい体験コーナー・遊びながら地熱についての学習など継続との町の要望。
今回成立した離島振興法の離島活性化交付金を活用しての継続を検討。今後さらに、クリーンアイランド構想実現へ国の支援など八丈島が再生可能エネルギーのモデル地域になるよう応援してまいりたい。