軽度外傷性脳損傷(MTBI)友の会の佐曽利代表委員・斉藤事務局長らが事務所に来訪。
MTBIは脳の神経線維(軸索)が交通事故などで損傷して発症する病気で、手足のまひなど重篤な症状が伴う場合も少なくない。
【MTBIの規模】
WHOやCDC(米国疾病対策センター)
・毎年世界で1000万人の外傷性脳損傷(TBI)・・・10万当たり150~300人 そのうち90%がMTBI
・米国(3億人)毎年150万人の外傷性脳損傷そのうち75%がMTBI(110万人) MTBIの1割が障害(重症化・・・8~9万人)
・例 福岡県人口500万人 毎年1万人の外傷性脳損傷
重症MTBI 700人
上記MTBIの規模や友の会の活動状況・労災の裁判など近況を伺い、救済策で意見交換。
「友の会」として強く要望されている内容は下記項目。
1.労災認定基準の改正
抹消神経の損傷では起こりえない、複雑多岐にわたる脳の器質的異常を判断するため、労災の精神・神経系統の障害等級認定基準の中に・WHOのMTBIに関する定義・勧告
・他覚的検査法として、体系的な神経学的診察を導入を。
2.地方議会との連携で意見書や医療・教育等の啓発
公明党としてPTを立上げ、9月2日にも公明新聞に大きく掲載。
地方議会との連携も含めて対応を進めており、本日の協議の内容について、さらに施策に反映してまいりたい。
【軽度外傷性脳損傷】
軽度外傷性脳損傷の病変がCT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)といった画像診断で発見されにくいことから、事故が原因で後遺症が発症しているのにもかかわらず、画像で脳損傷が映っていないことを理由に、労災の認定や自賠責保険の障害認定においても十分な補償が受けれない患者は大変多い。
2004年に世界保健機構(WHO)からMTBIの定義が出て、試算では2020年にはMTBIは世界で3番目に多い疾患になると予測している。日本でも数十万人ともいわれているが、正しく診断されずにきている。