iPS細胞の研究でノ-ベル医学・生理学賞を受賞した京都大学 山中伸弥教授が国会を訪れて、衆参両議長から研究の功績をたたえられて、表彰状と記念品が贈られた。




その後、山中博士の講演が国会の衆議院常任委員長室で行われた。
伊吹衆議院議長、山崎参議院副議長など衆参の議員の代表が参加。公明党を代表して出席させていただく。

国会議事堂の本館常任委員長室に拍手の中、奥様と共に入場。
衆参国会議員の代表の前で下記内容のお話しをされた。謙虚で誠実な山中博士。心のこもる話しに感銘を受けた。

「iPS細胞の再生医療の研究に10年間で約1100億の予算がついた事への御礼と、後は研究者が実用化に向けて頑張るしかない」との決意を語った。

中でも、日米との科学技術研究の格差について、環境面・研究者の待遇面から大きく遅れている点を述べられ、少しでも科学者が研究の専念できる環境改善の必要性を強く要望された。(下記骨子)

①環境面
(米)研究所はガラス張りのオープンラボ方式。研究者同士の情報共有でチームとして機能。カルフォルニア州のみで3000億のIPS細胞研究につぎ込まれ、新しい研究所や建物がどんどん増えている。
(日本)20年~30年前の古い建物を耐震改修して使用。昔ながらの小部屋の中で閉ざされた研究。アメリカと欧州と比べ約40~50年遅れている。

②研究支援者の待遇
(米)
現在の研究は、研究者以外に数学やIT分析の技術者や知的財産の専門家など多くのメンバーがチームとして機能。研究所には経営プロのCEOを雇い、対応している。そうした方々の財政的支援は十分提供されている。

(日本)
・今の大学制度では、教員・事務員以外の研究メンバーは給与も安く、安定した雇用でなく、厳しい現実。
・200人の研究所は経営の訓練を受けていない私が運営している。




最後の山中博士の言葉。
「先ほど国会見学した4つの台座の像。1つが未完成との事を通し、まだ政治も課題が多く未完であるように、科学技術研究もまだ未完。」
謙虚に前へ前へ!と挑戦しゆく博士の志に大変感銘を受けた。