中京大学・浜松医科大学 辻井正次先生と福島大学 教授 内山 登紀夫先生が事務所に来訪。(19日)
福島県の被災地の子どもの心の支援や発達障がい児支援についての現状と要望を伺いました。辻井先生とは発達障がい支援で、以前から交流があり、大変尊敬している先生です。また内山先生は日本の自閉症・発達障がいの診断・療育において日本の第一人者です。
福島県の子どもは東日本大震災以降、岩手県・宮城県の子どもと比較して、メンタルヘルス上の問題点が著しい事が、文科省調査でも明らかになっています。(意欲低下、無表情、焦躁感、自立機能低下など)
また沿岸部を担当する児童相談所の報告では、虐待相談事例は前年比1.7倍。また平成24年度に行った浜松医科大学が行った学校巡回相談では、50.4%が発達障がいに関する相談だそうです。同大学が県内15.5万人に行った調査では、浜通りの女子中学生の気分障害のリスクが他地域と比べ1.7倍と極めて高率でありました。(辻井先生も浜松医科大学チームの中心者で取り組まれています。)
このような結果からも福島県では、虐待、発達障がい、気分障がいなどハイリスクな子どもが急増しており、ハイリスクな子どもと家庭を対象にリスクの改善、問題の予防のための高度で専門的な対策が急務です。
今回の要望は、今年度まで浜松医科大学が担ってきた役割を地元の福島大学を拠点センターとして構築し「子どものメンタルヘルス支援事業」としてハイリスクな子どもと家庭への支援を進めていく事が出来るよう国などのさらなる支援の要望です。内山先生からも福島の状況を具体的に伺いました。
復興庁や文科省・厚労省や福島県などとの連携で子どもたちの支援を進めてまいります。
辻井先生からは発達障害支援法成立から10年目を迎えるにあたり、課題・要望についても伺いました。
中でも親亡き後の取り組み(地域での発達障がいの人たちの支援)や地域間格差を早期支援から改善させる取組み(ペアレント・プログラム)等の具体策など今後の発達障がい支援についても意見交換を進めました。