財務大臣政務官として香川県琴平町の「こんぴらにんにく」関連施設を訪問しました。(10日)にんにくを特産品とする香川県。(青森県に次ぎ第2位)
琴平町を中心に、安価で取引される規格外品の(ガーリックオイルへの)活用を通じて、障がい者や地元高校生の力を活用するなど、農業・製造業・行政・福祉・教育、観光業等の各界が連携することにより、地域の新商品が開発し、地域振興を図った事例です。
視察のきっかけは、昨年の10月全国財務局長会議で鶴谷四国財務局長から「特色ある農林水産業の事例」として紹介があった事を受けて、今回視察する運びとなりました。
琴平町社会福祉協議会 小野正人会長(琴平町長)、越智事務局長から取組みの概要を伺いました。(下記内容)素晴らしい取組みです。
【地域それぞれの課題】
・生産農家(にんにく農家):にんにくの規格外品は安値(中国産に近い安い価格)
・高橋商店:既存のガーリックオイルに青森産にんにくを使用。輸送コスト嵩む。
・琴平町社会福祉協議会:障がい者が地域で行うことが出来る仕事を模索
・観光業者:地域特産(琴平)のお土産物が少ない
【農商工連携と福祉・教育(ビジネスマッチングから始まった各界との連携)】
・地域特産品マッチング事業(県)により高橋商店と琴平にんにく部会との間でのガーリックオイルの試作品づくり。
製品化のさい、にんにくの皮をむき、スライスする1次加工は大変な手間を要し、これを担う物がなかった。
・障がい者の作業確保からにんにくの仕入れ、製品販売元を地元の琴平町社会福祉協議会が1次加工を障がい者支援のNPO法人ねむ工房が担う。
・地元の若者の感性を取り入れ、製品のネーミング(ガァリック娘)、ラベルデザインをデザイン科のある善通寺第一高校、レシピ作りを琴平高校が担当。
・小中学校のまちづくり科教材・食育事業(学校給食)
【取組みの成果】
・にんにく農家:①今までの中国産に近い価格から100円上乗せ。②「こんぴらにんにく」としてブランド化③にんにく農家数増加(64人から79人へ)
・高橋商店:コスト削減が図られ、地産地消を実現
・琴平社会福祉協議会①障がい者のメンバーがやる気・元気になり、地域に出ることが出来た②小規模作業所がNPO法人になり新しい拠点に移転した
③作業が認められた結果、工房以外の他の障がい者も含め繁忙期に農作業を手伝うようになり、社会との交流の機会が増加した。(農業と福祉の協働)
④賃金も月2千円から1万円を突破。3万円が目標に。
・教育界:デザイン、レシピ作りを通じた社会体験。地元の小学校でも野外学習。給食に使用され食育にも寄与。「こんぴらカルタ」を制作し、授業教材で活用。
こうした地域連携が全国に広がるように取り組んでまいります。