厚労部会


多焦点眼内レンズについて


白内障


厚生労働部会(古屋部会長)を開催。「白内障手術に用いる多焦点眼内レンズについて」日本眼科医会・日本眼科学会から意見を伺いました。(22日)

多焦点眼内レンズはある程度は、遠近ともにメガネなしで見える半面、薄暗い場所で文字が見えにくいなどの短所もあります。2008年から患者の負担が一部軽減される先進医療として扱われており、1月16日には公明党の尽力で、先進医療の2年延長も決定しました。

眼科学会の大鹿常務理事からは『術後の患者の1部から「思うように見えない」との声もある』との指摘や「今後2年間でデータを集め、どのような患者に多焦点レンズが合うのか確認を進めるとの」話しもありました。古屋部会長からは「患者にとって最善の方法を探すために連携していきたい」と応じられました。

2009年厚労委員会で国会で初めて多焦点眼内レンズの早期保険適用の国会質問をした私にとりましても、こうした課題を克服して、進めてまいりたいと思います。

【これまでの白内障手術・多焦点眼内レンズ保険適用について】

白内障は、加齢などが原因で本来、透明である目の水晶体(レンズに相当)が濁り、物がかすんで見えたりする病気です。

この濁った水晶体を取り出し、代わりに人工の眼内レンズを挿入するのが白内障手術。1992年4月からの保険適用は、公明党の歴史の中でも代表的な実績の一つであり、今日までの手術実績は約1200万件を大きく上回ります。 保険適用前は両眼で30万円程度の費用がかかり、多くの高齢者が負担の重さから白内障手術をあきらめていた。それが、保険適用によって患者負担が大幅に軽減され、手術を受けた高齢者から、「視界が一変した」などと大いに喜ばれています。

ただ、現在も広く使用されている眼内レンズは、1カ所しかピントが合わない単焦点レンズで、ピントが合う距離以外を見るのに視力を補完する眼鏡が必要になるケースが少なくありません。

これに対し、多焦点眼内レンズは遠くも近くもピントが合う遠近両用のため、およそ40歳代からの老眼の治療にも有効よいわれています。高齢期に白内障になり、多焦点眼内レンズを挿入することは、白内障と老眼を同時に治療することを意味します。問題なのは、高額な治療費。多焦点眼内レンズの利用は自由診療のため、費用は両眼で90万~120万円程度かかります。

2008年7月から、多焦点眼内レンズの挿入手術は、将来的な保険適用のための評価を行う「先進医療」に位置付けられ、一定の基準を満たす先進医療の実施医療機関では、診察、検査、投薬など通常の治療と共通する部分は保険が適用され、費用は両眼で数十万円に抑えられていますが、それでも高額なことに変わりはありません。2009年6月の参院厚生労働委員会で、多焦点眼内レンズの早期保険適用を強く主張し、公明党のマニフェストでも掲げております。

2014年1月には先進医療の2年間延長となりました。臨床研究によりさらに関連医療機関より実績データを蓄積し、専門家の意見を聴きながら保険導入をめざし取り組んでまいります。