都内にある世田谷記念病院の回復期リハビリテーションセンター長の酒向正春先生を訪問・懇談いたしました。(25日)酒向先生は私と同じ故郷愛媛県南予の出身、1961年宇和島市生まれ。愛媛大学医学部を卒業後、1987年脳卒中専門の脳神経外科医に。1997年~2000年デンマーク国立オーフス大学脳神経病態生理学研究所助教授を経て、40歳を過ぎてからリハビリテーション医へ転身。
脳画像から患者がどこまで回復可能かを読み取り、それに基づいて積極的な「攻めのリハビリ」を行うという独特の手法で驚くべき成果をあげ、数多くの患者や家族から絶大の信頼を得ています。その真摯な仕事ぶりはNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取り上げられ、大きな反響を呼びました。本年1月に出版された著書「あきらめない力」にも詳しく書かれ、私も一気に読み、感動しました。
また「健康医療福祉都市構想」を提唱されています。「健康医療福祉都市」とは「高齢者・障がい者を含めた全ての市民が「まちで生活・社会参加」できる環境・市街地中心部からの健康と良質な生活のための都市」です。
人口20~30万人の街の中に直径1キロのコアがあり、そこに行くと誰もが楽しく安全に歩けて周りの人たちとのコミュニケーションも取れて元気が出る基本のイメージで国・自治体・大手デベロッパー等の連携で様々なプロジェクトが進んでいます。
具体的には、市街地中心部に公園的歩道空間(ヘルシーロード)を渋谷区初台に。24時間365日安全快適に散歩が出来る初台ヘルシーロードを実現。現在病院のある二子玉川周辺でも再開発に関わり、2015年新たな街が完成の予定です。
街自体で元気になれるように困ったときだけ医療を利用する体制・医療に頼らない「街づくり」がライフワークと熱く語る酒向先生。将来的には日本だけでなくアジア諸国にも展開していきたいとの思いも語られました。
地域に人間回復の医療連携に全力で取り組む姿に大変感銘を受けました。病院には若い青年の職員がイキイキと働いていました。
脳外科からリハビリそして街づくりと広がる酒向先生。最後に語られたのが「私が病気に興味があるのではなく、人間に興味があるんです。」との言葉に、1人でも多くの患者さんを元気にするんだとの先生の人間哲学を垣間見た思いがしました。
大変刺激的な時間でした。今後、街づくりや地域包括ケアシステムの構築において、今後の政策の反映につなげてまいります。先生遅い時間までありがとうございました。