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徳島大学 大政教授・野地副学長/概要のプレゼンテーション

財務大臣政務官として、徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部で細胞を使った抗体医薬の生産について研究されている大政建史教授の研究を視察。(6日)
吉川徳島財務事務所所長も同行しました。

大政先生は生物化学工学の分野で研究を続けてこられており、現在は経済産業省の「平成25年度個別化医療に向けた次世代医薬品創出基盤技術開発・平成26年度次世代治療・診断のための創薬基盤技術開発」のプロジェクトリーダーもされています。次世代バイオ医薬品の研究において世界をリードされています。

徳島大学の野地副学長ら出席いただき、大政先生からプロジェクトの概要を説明された後、研究室を見学しました。

  • 医薬品の分野は低分子化合物から第2世代のバイオ医薬(抗体)へ大きくシフトしています。上位は全て海外で抑えられ、ほぼ全ての製造工程を海外製品に依存。日本は2.4兆円の輸入超過国となっています。
  • がん治療や難病等の希少疾患治療に抗体医薬をはじめとするバイオ医薬品は今後大きな成長が見込まれています。しかし、医薬品に適合する品質の高い抗体の作成は、生産過程が複雑で生産コストが高く、大量生産(培養)が難しいデメリットがあります。
  • その中で大政教授の研究は第3世代の新たなバイオ医薬品研究として注目されています。今、次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MBA)が平成25年9月設立され、企業・大学・公的研究機関を結集し、複雑で多機能なバイオ医薬品(抗体医薬)を製造する技術開発を進めています。MBAの下でのプロジェクトリーダーが大政先生です。

見学では、細胞培養のプラットホーム技術の上流プロセス構築(スケールアップ生産:CHO細胞培養)の確立の部分を伺いました。

細胞培養用恒温装置・細胞培養用リアクター・細胞選抜装置などの装置を使い、小さなスケールから大きなスケールへ細胞培養されるプロセス。


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細胞の設計図

顕微鏡でのCHO細胞(タンパク質医薬品生産に用いるチャイニーズハムスター卵巣由来細胞)はものすごい数の細胞がありました。
その1つの小さな細胞(米粒の250分の1程度の大きさ)の中に何十万という化学反応が行われ、大変複雑な化合物(タンパク質)が合成されています。
大政先生から1つの細胞の設計図の説明をいただいておりましたが、本当に驚きです。

今後大量培養するために、工場レベルでの実証の場として神戸ポートアイランドに次世代バイオ医薬品製造技術基盤開発施設が建設中であります。


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中川教授と

大政先生から要望のあった「継続した予算の拡充と共に人材育成のための支援について」全力で支援してまいります。