本日から始まった臨時国会の安倍総理の所信演説で、地方創生の成功した取組みとして海士町が取り上げ紹介されました。(人口2400人の島で10年間で400人を超える若者がIターン)
公明党離島振興本部(遠山清彦本部長)として海士町を視察。山内海士町長の案内で島内を廻りました。(23日)
「島前高校魅力化プロジェクト」は、地域の過疎化・少子化により廃校の危機(1977年 77名いた入学者は2008年28人に落ち込んでいた)にあった島根県立隠岐島前高校を起点に、地元3町村(海士町・西ノ島町・知夫村)、学校、地域住民、各種団体等が一丸となって取り組んでいる「教育からの未来づくり事業」です。
2008年廃校の危機にあった島前高校。当時の生徒数89人から2014年度156人とV字回復。
魅力化PTコーディネーター 豊田庄吾 隠岐國学習センター長(リクルート関連企業を経てIターン)
岩本悠さん(ソニーを辞めてIターン)、奥田麻依子さん(地域おこし協力隊として海士町へ。政府の創生会議の有識者メンバー)からお話しを伺いました。
① 多文化協働へ島留学
全国から意欲ある「島留学」を募集。人や産業、自然など地域資源を生かした教育を実践した結果、2012年度に異例の学級増を果たし、2014年度は全学年が2学級に。2014年春入学の留学生は31人。8月の見学会には全国から親子140人が参加しました。
県外生は56人で全校生徒156人の36%を占めます。多文化の中で共生・協働する力を培う学習環境をつくっています。また地域の有志の方々に「島親」となってもらい、島の伝統文化や自然、共生する暮らしの知恵の継承や生徒と地域を結ぶ役割を担ってもらっています。
② 現代版寺小屋の創設「隠岐國(おきのくに)学習センター」
高校近くの民家と校舎の一部を利用して学校・地域連携型公立塾「隠岐國(おきのくに)学習センター」を設立。学校の学習と連動した自立学習やプロジェクト学習を行っています。
島前高校156名の生徒の内、110人が通っています。「教育の力で地方を活性化したい」と意気込む豊田庄伍センター長以下7名のスタッフはすべてIターン組。公民館の学習状況を視察しながらIターンの若者が島の原動力になっている事を確信しました。
島前高校魅力化プロジェクトの予算は公明党が提唱した離島振興法の改正でソフト事業に使えるようになった離島振興活性化交付金を活用しています。また改正された離島振興法の教育の標準法改正により教職員数も平成20年度の15名から平成29年度は29名に大幅に増えました。
2011年訪問した際の課題が実現した事で大変喜んでいただきました。
今後、地方留学には寮費・下宿代等経済的負担がネックになるため、地方留学への「奨学金」制度の創設や地方自治体・学校に対しても地方留学を受け入れる交付金支給など要望も多く出されています。
今後の地方創生への議論に活かしてまいります。