横須賀市にある独立行政法人 港湾空港技術研究所(横須賀庁舎)と国土交通省 国土技術政策総合研究所(国総研)を視察。港湾空港技術研究所(港空研) 高橋理事長・福田理事、国土技術政策総合研究所の山本副所長らと意見交換の後、視察しました。(23日)
港空研は港湾・空港の整備等に関する調査・研究を行っており、①安全・安心な社会を形成するための研究(地震・津波・高波・高潮災害の防止・軽減の研究)②沿岸域の良好な環境保全、形成に関する研究(海域環境・海岸の保全、形成、回復、海上流出油・漂着物対策等)③活力ある経済社会を形成するための研究(リサイクル技術、物流革命、港湾・空港施設の構造物の機能・性能の向上、海洋開発の新技術開発など)多岐にわたります。
東日本大震災後、港空研では、実験やシュミレーション等により防波堤の被災メカニズムの解明や「粘り強い」防波堤のための対策工法の検討が進められています。
港湾空港技術研究所(主要な研究)
1.大規模津波水路(大規模波動地盤総合水路)
この施設は世界最大の高さ3.5㍍の風波に加えて、世界最大の高さ2.5㍍の津波を起すことができる大型水路です。
この水路は、長さ184㍍、幅3.5㍍、深さ12mあり、世界最大規模の実験施設です。
高波・津波による破壊メカニズムの究明に取組み、災害防止、減災に関する研究を進めています。すごいスケールです。
2.千潟実験装置
失われた干潟を再生する技術の確立を目指すための研究に取り組んでいます。実験は1995年に生物がいない状態からスタート。現在も久里浜湾からの海水の取り入れと潮汐・波・流れなどの環境状態を一度も止めることなく継続しています。
コアマモ、オゴノリをはじめとした多くの干潟生物が水槽内で成長し、現在も生態系は発達し続けています。
こうした研究成果をもとに、生物多様性を実現するための干潟・浅場の修復技術につながります。
さらに干潟や海草藻場等が有するCo2吸収・固定能力に着目し、研究も進めています。
期待される成果として湾岸域の藻場等の保全・再生を港湾域全体で地球温暖化対策に位置づけ、グリーンのポート化に貢献させる。ブルーカーボンが注目されてきています。