愛媛県松山市周辺で就労継続支援B型事業所『メイド・イン・青空』を進める佐伯康人さんを訪問。(1日)
障がいのある三つ子を授かり、福祉の世界へ足を踏み入れた佐伯さん。2005年に「パーソナルアシスタント青空」を立ち上げ、障がい児ディサービス・居宅介護などをはじめました。働く場も支援に加えるべく、支援者より1反の農地を借りたことから農業に取組み、「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則氏の自然栽培と出会い、試行錯誤を繰り返し、現在に至っています。
利用者は25名。朝8時に皆さん集まって来られます。精神障がい・知的・聴覚障がいなど様々な障がいを持ってられます。宮内さんらスタッフと共に農地へ。
佐伯さん・宮内さんの案内で青空が行っている場所を廻りました。地域に増える耕作放棄地を活用し耕地面積は11ha(3.3万坪・東京ドームの広さ)に達しました。場所も40か所。耕作放棄地を提供する農家も20件を超えています。
自然農法(無農薬・無肥料・無除草剤)で水田では青空米。畑では野菜を年間100種。みかん等の果樹も作っています。佐伯さん達が作った自然農法の青空米は一般の平均価格の3倍~4倍、1キロ730円~800円の値がつく程の人気です。利用者の賃金も月6万円とB型の平均が月1万4千円と比較するとすごいです。
佐伯さんは「今、あちこちに耕作放棄地が増えています。自然栽培は消費者が求めるニーズの中ではもっとも高いと実感しています。同じ地域のお米の3倍から4倍の値段で完売しますから、耕作放棄地と自然栽培の組み合わせは、各地の障がい者の作業所でも取組みやすいと思います。」と話されていました。
また「『仕事ができるわけがない』と言われてきた彼ら(障がい者)が荒れた土地を水路を地域の問題を解決している姿は実に痛快でした。僕らはまだまだですが、この小さなモデルケースを全国に広げていけたらと思います。
福祉の力で福祉の仲間たちと農業の再生をする事は大袈裟かもしれませんが、ひとつのルネサンス。日本を元気にすることにつながると思うからです』と力強く語られました。
現在砥部町に栽培された野菜の販売や飲食のお店もオープンの予定で準備されています。栽培から6次化にも取組みしっかりとしたモデルを作りたいとの佐伯さん。農福連携や地方創生の素晴らしいモデルを見た思いが致しました。