調布市にある児童養護施設 二葉学園を公明党児童虐待防止・社会的養護検討PT(国重徹座長・佐々木さやか事務局長)メンバーで視察。
武藤素明統括園長(統括施設長)・小倉要園長(施設長)から二葉学園の概要を伺い、施設内やグループホームを視察し、意見交換。
明るく清潔な室内です。少人数のグループにわかれ、より家庭に近いスタイルで生活していく工夫と配慮を感じました。下記の要望や貴重なご意見をいただきました。今後、課題改善と共に将来像に向けて進んでまいります。ありがとうございました。

要望

  1. 人員増(配置基準のさらなる見直し)と専門的人員の拡充による支援
    • 小規模化すると職員数が現状よりも負荷が多くなってきている。さらに虐待を受けた子ども達の心理的・治療的ケアや障がい児など対応で職員の負担が増しています。
  2. 退所後のアフターフォロー体制の強化とライフサイクルを見通した支援を。
    • 金銭問題、就労相談、住居などの相談のフォローなど支援の充実が必要
  3. 親子関係の調整や家庭帰省など家庭復帰の取組みを進める支援が必要(ソーシャルワークとケアワーク等の支援)。家庭支援専門員や行政・学校などとの連携アプローチの強化を。

社会的養護の現状

  1. 施設数、里親数、児童数
    • 保護者のない児童、非虐待児など家庭環境上養護を必要とする児童は約4万6千人
    • 里親に委託児童数4636人、ファミリーホーム 223か所993人
    • 児童養護施設601か所15447人・乳児院133か所4210人、児童自立支援施設58か所1780人、母子生活支援施設247か所2012人、自立援助ホーム118か所519人、情緒障害児短期治療施設38か所970人。
    • 小規模グループケア1078か所、地域小規模児童養護施設298か所
  2. 虐待を受けた児童、障がいのある児童の増加
    • 児童養護施設に入所している子どものうち約6割は虐待を受けている
    • 児童養護施設において28.5%が障がいのある子ども達。(知的、発達障がい児が多い)

児童養護施設の課題と将来像

  1. 小規模化と施設機能の地域分散化による家庭的養護の推進
    • ケア単位の小規模化→将来は全施設を小規模グループケア化(オールユニット化)
    • 本体施設の小規模化→定員45名以下に
    • グループホームの推進、ファミリーホームの設置、里親の支援→施設は地域の社会的養護の拠点に
  2. 本体施設は、精神的不安が落ち着くまでの専門的ケアや地域支援を行うセンター施設として高機能化

社会的養護の整備量の将来像

  • 現在9割が乳児院や児童養護施設で1割が里親・ファミリーホームの現状
  • 今後十数年をかけて、3分の1が里親・ファミリーホーム。(約12100人〜約17500人)
    • 3分の1がグループホーム。(約12200人)。3分の1が本体施設(児童養護施設は全て小規模ケアに)(約14000人)へ。

二葉学園の小規模化事例と地域支援センター機能など

  1. 改築後も本園の小規模化(児童8名のホームひまわり・アイリスの2つ)と分園の地域分散化(児童6名ずつのホーム6つ調布市と府中市)
    • 定員52名(本体施設40名、地域小規模施設(グループホーム)12名)
  2. 子どもショートスティの受入市が狛江市・府中市に拡大。地域支援の拡充へ
  3. 今後自立援助ホームの計画もあり、施設退所後のアフターフォローも検討