超党派の勉強会・第5回「永田町こども未来会議」が18日衆院第一議員会館にて開催されました。医療的ケアの必要な子ども達への支援などを検討する勉強会で、自民党の野田聖子・宮川典子衆議院議員や民主党 細田豪志・荒井聡衆議院議員など共に参画。自民・民主・公明の議員が参加しています。本日は2人からの講演の後、質疑・意見交換。
障がい者保護者の小林さんから「歩く重心児」への支援のお願いについて切実な声を伺いました。「歩く重心児」は「歩く」ことで、症状が重心児であっても重心児として認識されず、サービスが受けられない制度の狭間に置かれています。早急な対策が求められます。
また医療的ケアで先進的な取組みを進める東京都立光明特別支援学校の田添校長から医療的ケアの現状と課題について伺いました。
参加された医療関係者・NPO関係者(フローレンスの駒崎代表ら)からも貴重なご意見をお聞きしました。
大島分類に入らない「歩く重心児」の位置づけと報酬単価UP等の支援サービスの確立。訪問看護ステーションから学校支援が出来るよう、例外規定の確立など制度の狭間を埋める作業を今後進めてまいります。
講演内容
1.「歩く『重心児』への支援のお願い」 在宅医療ケア当事者 小林 正幸氏(歩く重心児・者についての問題提起)
- 息子(たいち)さんは、医療ケアが必要な「歩く重心児」
- 身障1級 聴力・直腸機能障害 肢体不自由、療育手帳A!(最重度) 全盲でコミュニケーション不可、そして歩きます
- 日々のケア 胃ろう注入 6回/日 1時間/回 約6時間/日、浣腸 ガス抜き 3回/日 40分/回 約2時間/日、睡眠2〜3時間程度を2回
歩くから重心の施設では看る事ができない。医療行為があるから肢体施設や知的施設では看れない。 - 親たちは消耗が続く
- 歩く重心児は、障がいが成長や医療・介護の発展に伴い多様化したため発生。
- 問題提起
- 家族の負担が大きいが制度の保障がない。高校卒業後の行先がない。医療と介護の質の向上で今後も少しずつ増えていく
- 支援のお願い
- 歩く重心児の認知、ショートの預かり、ロングの預かり、障がい者保護者の働き方など。
2.「特別支援学校における医療的ケアの現状と課題」東京都立光明特別支援学校 校長 田添敦孝氏
- 医療的ケアを必要とする児童数
- 通学生53名・自宅など訪問生22名 : 合計75名
- 医療的ケアの支援体制
- 養護教諭2名、常勤看護師2名、非常勤看護師17名 常時7名のシフト体制で医療的ケアを対応
- 特別支援学校における医療的ケアの実施効果
- 医療安全の確保、授業の継続性の確保、登校日数の増加、児童生徒と教員の信頼性向上、保護者の負担の軽減効果
- 新たな課題
- 学校における看護師の役割の改善、就学における円滑な整備、健康と安全を確保する整備、保護者等の支援、卒業後、進路先の確保
- 医療的ケアを必要とする児童・生徒と保護者の支援
- 訪問看護ステーションから学校支援の提案、保護者ネットワークづくりの提案、スクールバス以外の移動支援の提案、看護師の確保
参加者
NPO法人関係
- 駒崎 弘樹(病児保育・小規模保育の認定NPOフローレンス代表)
- 戸枝 陽基(社会福祉法人むそう NPOふわり理事長)、瀬 佳奈子(同事務局長)
- 矢部 弘司(NPO法人ソーシャルデべロップメントジャパン 理事長)
医療関係
飯倉いずみ(医療法人財団はるたか会事務長)、藤田真人(あおぞら診療所墨田、ソーシャルワーカー)