地元の高木妙(たえ)高知市議と共に高知市中心商店街街にオープンした「タウンモビリティステーションふくねこ」を視察しました。(29日)中心で運営されているNPO法人 福祉住環境ネットワークこうち(ふくねこ)理事長の笹岡和泉さんから活動の取組みについて伺いました。

笹岡理事長と

笹岡理事長と

中心商店街で

中心商店街で

昨年の7月に訪問して以来の再会です。その時は未だ常設の拠点がなく、月1回開催のイベントを見学させていただきました。今後の目標をお聞きした時に、中心商店街に「タウンモビリティステーション」を常設するのが目標と話された笹岡さん。見事実現されました。
(2014年7月訪問のブログ)
https://www.yamamoto-hiroshi.net/archives/2014/07/2_67.html

中心商店街に拠点が出来てからの実績報告・タウンモビリティの効果と課題について伺いました。

「タウン」は「まち」、「モビリティ」は「移動性」という意味。たとえ障がいがあっても、高齢になっても、自由に移動できるまちにしようという取組みです。1980年ごろにイギリスのショッピングセンターで始まり、日本には活動の場所を商店街に変えて導入されました。

タウンモビリティのモデル都市久留米

タウンモビリティのモデル都市久留米

タウンモビリティステーションふくねこ

タウンモビリティステーションふくねこ

タウンモビリティとは?

タウンモビリティとは?

障がい者当事者が地域の中で社会貢献などの役割・社会資源となりうる事や障がい当事者が生きがいとなり地域を支えている力となっている事(地域包括ケアシステムの中での民間力としての活用)など熱く語る笹岡理事長。さらにパワーアップし、共生社会の夢を実現する姿に勇気と元気をもらいました。今後の施策に反映してまいります。

【開所時からのデータ(4月30日~7月31日)】

  • 来訪者497人。車いす貸出し15人・ベビーカー貸出し15人・シルバーカー貸出し2人・参加スタッフ延べ154人・参加ボランティア延べ119人。

【来訪者の内訳】

  1. タウンモビリティに情報やサポートを求められて来られる方(障がい者・高齢者・観光客など)約70%
  2. タウンモビリティに何かできる事で手伝いたいと来られる方(一般の方・障がい当事者も含む)約20%
  3. お互いにメリットがある形での連携を求められて来られる機関(市社協・障がい者福祉センター・行政・大学など)約10%

【ステーション定例行事】

  • 毎月第2土曜日(童謡教室)毎週木曜日(脳卒中当事者コミュニティカフェ・みんなが先生プロジェクト)
  • 毎週金曜日(就労支援事業所の洋菓子販売)毎月第4土曜日 女性建築士による「いたわり住宅相談会」

【他団体と連携した活動実績】

  • 高知大学フィールドワーク・高知商工会議所接遇研修・木材協会とこうち健康・省エネ住宅推進機構との交流会・障害者サポート研修(高知県障がい保健福祉課)・ボランティア講座(高知市社会福祉協議会)等

【効果】

  • 拠点が出来た事で買い物弱者が安心して立ち寄れ、サポートを求められる場になっている。
  • 行政、社協、大学などユニバーサルデザインな街づくりの取組みに活用している
  • 商店街、観光、福祉など広く情報のステーションとして利用増。連携の機会増。
  • 県外からの観光客の利用あり(今後海外からの観光客の利用の可能性あり)
  • 障害当事者が役割をもち、生きがいを感じられる場になっている。(当事者がそれぞれの得意を活かしてお互いに先生になりあう「みんなが先生プロジェクト」を7月より実施。本日のお会いした方々も生き生きと目が輝いていました。素晴らしい島ぞうりや人形が素敵です。

【課題】

  • ステーション運営の為の常駐人員の不足。(現状は意欲のある障がい当事者が支えており、体調不良者で出ている)
  • 現状の収益では人件費を支払えない状況。
  • 公共交通利用のサポートは行っているが、送迎を行えていないため、重度心身障害の利用希望者が諦めざるを得ない状況。

【改善の取組み】

  • タウンモビリティを必要としている人に情報を届ける、出かける一歩を踏み出してもらうための広報先の見直し、拡大。
  • スタッフ・ボランティア不足の改善のため、魅力ある活動の発信の仕方の工夫。
  • 医療・介護・福祉・行政などとの連携先の拡大など等。