参議院議運運営委員会班によるドイツ議会交流2日目。外務省にてグルツェスキー外務省難民・移民担当局長と難民問題で意見交換。(29日)
今世界中で大きな問題になっている中近東方面からの難民問題。下記内容で概要と課題等議論を進めました。
難民発生の根本原因(難民当事国の安定・通過国の政情安定)は取り除かれておらず、ドイツが積極的に対応を進めていますが、日本としても取組みが必要です。本日安倍総理が国連総会で難民支援に970億円拠出する事が表明された事をニュースで知りました。伺った内容を参考にして対応を協議してまいります。
- 難民の急激な拡大
- 北アフリカ・中東地域の情勢不安定化に伴い、欧州への難民や不法移民が著しく増加。
- 2014年の難民庇護申請数は約62.6万(2013年比1.4倍、2008年の3倍)
- 庇護申請多い国:ドイツ(3割強)・スウェーデン・伊・仏。
- 本年、約50万人の難民等が欧州に到着。昨年の申請数を大きく上回る見込み。
- EU諸国の直面する課題
- 原則:国境管理を一本化(シェルゲン協定)難民申請は最初に域内入りした国で実施(ダブリン規制)
- 伝統的に積極的に難民を保護してきたが、加盟国間、国内でも対応が割れる
- ドイツにおける難民の流入と対応
- ドイツの難民の状況
- 中東・アフリカ情勢の悪化を受けて、2015年年始以降、中近東方面(主にシリア)からギリシャ、マケドニア、セルビアを経由し、ハンガリーからドイツに向かう難民が急増。
- 8月19日、連邦移民・難民庁は本年末までのドイツへの難民申請件数が80万件に達する可能性があると発表。
- ドイツ政府の立場
- 人権尊重の意識は他国に比べても非常に強く、政治的迫害から逃れた難民の受入れは基本法にも明記。
- ドイツ政府の対応
- ハンガリーにおける大量の難民滞留を受け、9月5日ドイツ、オーストリア、ハンガリーは難民のオーストリアを通過してのドイツの入国をタブリン規定の例外として今回限りの措置として認める事で合意。
- 15日連邦は難民の一部収容における各州支援(連邦が4万か所の一時収容施設を建設、難民の各州への配分における支援等を約束。
- ドイツ政府は国際機関等に少なくとも10億ユーロ追加拠出。
→しかし、一度に多くの移民・難民が押し寄せ、対応しきれない状況(ギリシャ・伊・ハンガリー)
*積極的な独仏と消極的な中東欧諸国