交通事故などで体に受けた強い衝撃によって脳脊髄液が漏れ、頭痛や目まいなどの諸症状が現れる脳脊髄液減少症について、同症の患者支援の会(大平千秋代表)と子ども支援チーム(鈴木裕子代表)は24日、厚生労働省で塩崎恭久厚労相に対し、同症に有効とされるブラッドパッチ療法の保険適用などを要望しました。
公明党同症対策プロジェクトチーム(PT、座長=古屋範子副代表)メンバーとして同席。全国から患者支援の会の方々(中国地域では岡山県本田公子代表・島根県藤原松子副理事長)が17万3千人余の署名簿と共に参加されていました。
ブラッドパッチ療法は、髄液が漏れている周辺に患者自身の血液を注入し、漏れをふさぐもので、現在、脳脊髄液減少症の一部である脳脊髄液漏出症で、入院費などが保険適用となる先進医療に承認されています。
要望では、厚労省研究班が事業報告で、同療法が有効かつ安全な治療法として期待されると明記したことに言及。今年度中には世界で初めて、公的機関による「外傷を機に発生する脳脊髄液の漏れ」の診断基準も完成する予定だとして、2016年4月からの保険適用を訴えました。また厚労省研究事業での18歳未満の症例追加や、医療関係機関などへの最新情報の提供も求めました。
塩崎厚労相は、先進医療会議や中央社会保険医療協議会で保険適用に関する検討が進められるとして「いい議論ができるようにお願いしていきたい」と述べました。併せて、16年度に「日本医療研究開発機構で、小児の漏出症の研究を優先的に採択することとされている」と報告。ホームページなどを活用した情報提供に取り組む考えも示しました。
大臣のお話しの中で、念願の保険適用にはっきりとした光が見えてきました。また子どもの症例研究について大臣から実施していく旨の話しがあった時には拍手が起こました。患者支援の会の方々の16年間に及ぶ懸命な活動が大きく政治を動かしてきています。公明党は制度の狭間の方々への支援にこれからも取り組んでまいります。