日本財団ソーシャルイノベーション本部上席チームリーダー 石井 靖乃氏・瀧井健次氏が4日、国会事務所に来訪。「聴覚障害者が電話を使える社会の実現をめざし、電話リレーサービスが公式に検討開始されるため」意見交換を致しました。
石井氏は東日本大震災以降、日本財団主導で、聴覚障がい者支援(電話リレーサービス・モデルプロジェクト)に取り組まれています。(※電話リレーサービスとは)
オペレーターが通訳として耳の聞こえる人と聞こえない人とを電話でつなぐサービスで、日本中に普及させるプロジェクト。委託の6事業者が3600人をサービスし、月8000コール、9万人分の利用実績です。多くの利用者から喜びの声が寄せられています。
私も事業者の(株)プラスヴォイス(三浦社長)を仙台に訪問し実際の現場を視察したり、(株)アイセック・ジャパンの一瀬社長と懇談をして電話リレーサービスの重要性は認識しておりました。
しかし聴覚障がい者のための電話リレーサービス導入において世界の中でも遅れています。緊急性の高い緊急通報(110番・119番)や仕事・生活面でも大変困られておられます。
障害者権利条約が批准され、障害者差別解消法が4月から施行され、大きく障がい者を取り巻く環境は変わってきています。誰もが暮らしやすい社会(ユニバーサル社会)の実現めざし、今後、総務省・厚労省との縦割り行政を打破しながら、公的な支援ができるよう取組んでまいります。
聴覚障がい者は電話が出来ず困っています!
日本の聴覚障がい者人口
日本の聴覚障がい者人口は手帳保持者が32.4万人。全国の難聴者は1000万人以上いると推定されており、高齢化社会進展に伴いさらに増加が予想されています。
電話が出来ない事による問題
- 緊急通報(110番・119番)が出来ない
- 仕事で電話を使うことが出来ない
- 様々な連絡、問合せ、予約ができない
- いつも家族や友人に頼らなくてはいけない
電話リレーサービスの早期実現を!
- 世界中で公共サービスとして実施中・21か国が制度化(負担は以下の3通り)
- 国が負担 スウェーデン・オーストラリア・韓国など10か国
- 電話会社が負担 ノルウェ−、スイス等10か国
- 電話利用者が負担 アメリカ、カナダ2か国
- 社会全体で広く浅い費用負担を!
- ユニバーサル・サービス料金が現在2円(過疎地域の対策等)利用者はすでに払っており、聴覚障がい者の電話リレーサービスが無料で出来ように推進を(アメリカ・韓国などは活用)