香川県高松合同庁舎4階の香川県精神保健センター内にある、香川県ひきこもり地域支援センター「アンダンテ」を訪問。(13日)
久保所長・細谷主任から香川県におけるひきこもり支援「アンダンテ」の取り組みと課題など伺いました。
「アンダンテ」は、2007年以来、ひきこもりの子どもを抱える家族の会(KHJオリーブの会)の方々の実情をお聞きし、国会等で質問。予算化し県でも2011年6月から開設されました。「アンダンテ」とは音楽の速度記号で「歩くような速さで」と訳されている。ひきこもりの当事者やご家族、支援する方々が、焦らず確かな足取りができるよう願いをこめてつけたそうだ。
ひきこもり専用の電話担当など相談・普及・啓発で現在3名が「アンダンテ」に配属。
個別支援(来所相談391件・電話相談158件・メール相談16件・アウトリーチ57件)は年々増えており、家族の相談が来談者の8割。当事者の年齢は平均28.6歳。ひきこり期間も約6年。
グループ活動では、家族支援では毎月、親のグループワークを開催。また当事者の集団活動を2013年10月から開始。常時5,6名が参加しています。
また香川県ひきこもり対策連絡協議会も年2回開催され、アンダンテを含む16機関(家族、当事者、就労支援機関、児童相談、教育機関、警察、保健所など)の連携を強化し、支援体制の充実が図られています。
県ではひきこもりサポーター養成研修事業を平成26年から開始。受講者93名から平成27年度32名、平成28年度25名のひきこもりサポーターの登録者が活動しています。フォローアップ研修と共に登録者を増やす研修も進めています。家族会のKHJ香川県オリーブの会が研修の委託をまかされています。ひきこもりサポーター派遣事業では高松市が自宅訪問など始めています。
今後こうしたひきこもり地域支援センターにおける支援と居場所支援、居住支援、就労支援など自立に向けた支援(生活困窮者自立支援制度)との連携が大事になってきます。まだ香川県では任意事業である居場所作りなど就労準備支援事業を実施している地域は少ないのが実情です。
現在精神保健センターの人員は15名とひきこもり支援も含め、精神保健分野をカバーするには限界もありますが、国・県・市町村の予算拡充も含めて、行政支援など推進してまいります。