公明党てんかん対策推進PT(座長:山本博司参院議員)・厚生労働部会の合同会議が
17日、参議院会館で開催されました。
昨年5月に設置されたてんかん対策推進PTの4回目の会合。今回は、静岡てんかん神経
医療センター 井上有史先生(全国てんかんセンター協議会代表)から
「てんかんのある人の雇用・てんかんの教育について」説明を伺い、意見交換を致し
ました。
【てんかんのある人の雇用】
1.雇用の課題
・モラル的な偏見でなく、事故のリスクについての不十分な情報、つまり事故を恐れ
るがゆえの排除が問題
2.雇用の対策
・てんかんのある人の職業適性に関する明確な基準(ドイツでは20年前から基準が作
られ運用され、一般雇用率とてんかんのある人の雇用率ギャップは著しく改善した)
【てんかんの理解】 住民の意識調査から(1999年と2014年)日本てんかん協会の調
査
・25%は身近にてんかんのある人がいる
・見た人がある人は減っている。3分の2はみたことがない。発作を見たのは半数以上
が学校時代。
・聞いたり、学んだことがある人は増えているが、よくわからないとの回答が半数以
上。→正しく見聞きしていない
・処置は半数以上正しくない
・教育・福祉専門職と一般でそれほど差はない→勉強する機会はあったのか?
【義務教育】
・理解を深めるには啓発が必要→もっとも効果が大きいのは義務教育
*カナダのてんかん教育の事例
1.専門職の教育
・医学生の教育、医師の教育(産業医・学校医・生涯教育にける必修)
・医療他職種養成・生涯教育の必修化、
・福祉・教育・行政職員要請過程・生涯教育での必修化(特にロールプレイなどを用
いた実践的な教育)
2.学校における教育
・すべての児童生徒が救命処置・応急処置の一つとしててんかん発作への対応を、実
践的に学ぶ
【お願いしたい事項】
1.てんかんの雇用リスクおよび雇用ガイドラインの作成
2.義務教育課程におけるてんかんの教育
3.てんかん学習プログラムの普及(診療報酬化)
伺った内容について今後PTで検討し、提言などを通じ、施策の反映に努めてまいりま
す。
【てんかんとは】
てんかんは大脳の病気です。脳の神経が一時的に過剰に活動し、それが発作(意識障
害・昏睡・けいれんなど)となってあらわれる病気です。
出産時の傷や交通事故によるものなどいろいろな原因がありますが多くの場合はよく
わかりません。わが国では100万人の人々がてんかんに悩んでいます。いろいろな発
作がありますが、命を失うことなどは、めったにありません。
今では、薬によって8割の人は発作もとまり、ふつうの人とかわらない生活をしてい
ます。【日本てんかん協会とは】