公明党行政機関等における障がい者雇用対策本部(本部長:桝屋敬悟衆院議員)として、17日、根本匠厚生労働大臣(公務部門における障害者雇用に関する関係府省連絡会議 議長)に「行政機関等における障がい者雇用に係る緊急提言」を行いました。

法定雇用率の速やかな達成に向け、確認体制構築などの再発防止策や就労環境の整備を求める内容で、根本大臣は「しっかりと受け止め、これからの対策に反映させる」と答えました。

これまで対策本部として4回の会合内8つの障がい者団体、4つの就労関係団体からヒアリング。また静岡県庁を視察する等、現場の声を聞き提言をまとめました。

提言では、今回の事態について「障がい者の職業の安定と、誰もが社会参加できる『共生社会』をめざす障害者雇用促進法の趣旨に照らしてあってはならない」と厳しく指摘。政府に迅速な対応を求めました。一方、今後の採用に当たっては、障がい者団体から寄せられた声を受け「数合わせの拙速な対応は厳に慎み、早急に取り組むべき項目や中長期的項目を整理するべきだ」と強調。

具体策としては、現在、調査を行っている第三者検証委員会で、問題の経緯・原因を徹底的に検証するべきだとしました。その上で、政府が今後策定する予定の対応方針や各府省の採用・是正計画に関して、検証結果を十分踏まえたものとするよう主張。

また、障がい者の特性や個性を踏まえた各職場での合理的配慮を十分検討し、業務や働き方を見直すよう提案。こうした作業については「厚労省が中心となって政府全体の取り組みとして実施される必要がある」と訴えました。

採用などでは、非常勤から常勤にステップアップできる制度の導入を政府が検討していることを受け、各府省での積極的な活用を促した。各府省が横断的に連携し、雇用状況の把握・確認を年1回など定期的に行う体制の整備も求めました。

併せて、障がい者が職場に適応できるよう職場に出向いて支援する「ジョブコーチ」の体制整備など、職場定着に向けた取り組みを要請。情報通信技術(ICT)やテレワークの活用といった働きやすい環境づくりに加えて、障がい者雇用への理解促進に向けた全職員向けの研修会の開催も提唱した。さらに、2019年度予算案で必要な予算を確保するよう要望。一方、各自治体での障がい者雇用に関しても、定期的な状況の把握・確認や職場定着支援などを求めました。