ハンセン病隔離政策で差別を受けた元患者家族に対し、最大180万円を支給する補償法と名誉回復を図る改正ハンセン病問題基本法が、15日の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。

この間、公明党ハンセン病家族救済本部 事務局長として、家族の皆様に寄り添いながら進めてまいりました。また超党派のハンセン病ワーキングチームメンバーとして、ハンセン病家族補償法の成立の環境整備に取り組んできただけに、感慨深いものがあります。

法施行と同時に補償金の請求受け付けを始め、補償金は最短で来年1月末には支給される予定です。

元患者家族を巡っては、熊本地裁が6月、国に最大130万円の賠償を命じる判決を下しました。政府は控訴を断念し、公明党の主張に沿う形で、原告以外の家族も公平に救済する新たな補償措置を講じると表明。その具体化に向け、議論が進められてきました。

基本方針では反省やおわびの言葉を記す法案前文の主語を「国会及び政府」と明記し、責任の所在を明確化。補償の対象範囲には元患者の親子、配偶者、兄弟姉妹だけでなく、同居を条件においやめい、孫、ひ孫らが加わりました。

地裁判決で訴えが退けられた原告や、地裁判決で被害が認められなかった米軍統治時代の沖縄や戦前の台湾や朝鮮などに住んでいた元患者の家族も補償対象に含めました。

補償額は配偶者や親子、元患者と同居していた1親等の姻族(子の配偶者、養子でない連れ子など)が180万円。兄弟姉妹や元患者と同居していた2親等の姻族(配偶者の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、孫の配偶者など)と3親等内の血族(孫、おい、めいなど)が130万円。

一方訴訟中に死亡した原告約20人に対しては、法案の対象には含めないものの「名誉回復特別一時金」(仮称)を支払うことを省令で定める事としました。請求期限は施行から5年。対象者からの請求に基づき、厚労相が認定します。補償の対象を約2万4000人、支給総額は約400億円と試算しています。

患者、家族、元患者家族の方々の救済を図る一方、社会の差別・偏見をなくし、共にこれからを生きる世の中にしてまいります。

ハンセン病家族訴訟 原告団・弁護団の方々と

家族原告団会長

家族原告団の皆様の要望(2019年3月)