参議院ODA調査第2班(有村治子団長)として1月5日から10日までの期間でブータン・タイを視察。
7日午後はブータンの首都ティンプー市内の国民総幸福量委員会(GNHC)を訪問。ティンレイ・ナムギャルGNHC次官と面談。
幸せの国と呼ばれるブータンでは、GNH(Gross National Happiness=国民総幸福量)という独特の指標を用いて、国民の幸福量を計っています。
国民総生産(GNP)や国内総生産(GDP)よりも、国民が感じている幸福量が重要だという考えです。第四代国王のジグミ・シンゲ・ウォンチュック陛下が、「国民総幸福量(GNH)は国民総生産(GNP)より重要である」と公に発言。
【GNHの4本柱】
(1)持続可能かつ公平な社会経済開発
(2)自然環境の保護
(3)伝統文化の保護と振興
(4)良き統治
【GNH指標の9分野】
①心理的な幸福 ②国民の健康 ③教育 ④文化の多様性 ⑤地域の活力 ⑥環境の多様性と活力 ⑦時間の使い方とバランス ⓼生活水準・所得 ⑨良き統治
【GNH委員会(GNHC)】
・首相を中心に官房長、各省次官、GNH委員会次官等15名のメンバーで構成。
・GHNに即した政策立案・調整、レビュー、GHN長期戦略の策定、国家開発のための5か年計画の策定・調整・モニタリング、GHN指標の採択。
・象徴的政策として地方電化計画、医療・教育の無料化、地下資源採掘の抑制、制限的な観光、伝統的建築の維持、民族衣装の着用など。
約1時間半の意見交換、
「ブータンにとってGHNが親切、平等、人類愛といった基本的な価値と経済成長の追求に必要性を結ぶ橋である。GHNは国家の良心として、良き未来のために我々が賢い決定を下すことができるよう導いてくれる」との現国王の言葉に象徴されているように、壮大なロマンに向かって現実とバランスを取りながら取り組む姿に大変共感を感じました。
5年に一度政府より委託されたブータン研究所(CBS)が72項目のアンケート調査を国民に実施し、政策の見直し繋げています。今後もブータンの取組みを見続けてまいります。貴重な時間となりました。ありがとうございました。